INVASEより不動産投資市場の最新マーケット動向をお届けします。
東京都心部を中心に、物価動向といったマクロデータや金融市場の動向を踏まえた不動産市場分析や、INVASEの注目物件・注目エリア、不動産のプロからのアドバイスもご紹介。
*お時間のない方へ、INVASEであれば仲介物件の購入に関するご相談もいただけます。その他ローンに関するご相談や、いま不動産投資をすべきかどうか、どのような立地・条件が良いかなどご相談がございましたら無料カウンセリングサービス「Journey(ジャーニー)」をご利用ください。
1. 金融・不動産市況サマリー
※1:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)総合
※2:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)家賃
※3:「マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)」を元にMFS作成(東京23区、シングルタイプ 18㎡以上30㎡未満、2009.Q1=100)
※4:住宅特化型REITの時価総額上位3銘柄(アドバンス・レジデンス投資法人、日本アコモデーションファンド投資法人及びコンフォリア・レジデンシャル投資法人)の分配金利回り平均
※5:10年国債利回りとREIT利回りの差
トピック
6月は米国で予想を下回る経済指標も発表されるも、AI投資の拡大を背景に半導体株や関連ソフトウェア会社の好決算発表が続き、データセンターなどのインフラまで設備投資の裾野が広がること期待して株式市場は上昇しています。米国では、5月雇用統計で減速の兆候も散見されるも大幅な悪化は避けられた格好でしたが、ISM非製造業景気指数が50を下回り、小売売上高が前月比でマイナスとなるなど、先月と同様に成長鈍化の兆しが続いています。
金融政策ではFOMCにおいて政策金利が4.25〜4.50%で据え置かれたものの、パウエル議長からトランプ政権による通商政策(関税強化)がインフレ圧力を再び高める可能性について言及しており、今後の金融政策において通商リスクも重視する構えを見せています。また日銀は、6月の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めつつも、国債買い入れ額の段階的な減額を発表しました。金融政策の正常化へ向けたシグナルと受け止められつつも、植田総裁による慎重姿勢も見られ、年内利上げ織込はやや後退しています。
ドル円は引き続き145円を挟んでのレンジ推移、日経平均株価は約5か月ぶりに節目の4万円台を回復しています。
※参照:日本経済新聞
東証REIT指数も堅調な推移となり、1年ぶりの水準まで上昇しています。
※参照:日本取引所グループ
マーケットは引き続き落ち着いていますが、関税政策の影響がマクロ指標にも徐々に出ているような状況です。リスク顕在化や物価動向などについては引き続き注意は必要ですが、目先は引き続き緩やかなインフレが継続するINVASEの見方に変更はありません。不動産価格については、REITについては大きな変化はなく、不動産キャップレートも落ち着いているため安定した推移になると考えていますが、引き続き突発的なイベントが中長期的な方向性に変化をもたらすリスクには警戒が必要です。
2. 各種指標の動向
賃料・インフレ
東京都区部インフレ率(CPI)の総合指数は前年同月比+3.40%上昇しています。一方、CPI内の賃料指数は前年同月比1.20%の上昇となっており、家賃が賃貸契約更新時に見直される遅行指標であることを考慮すると、CPI全体の上昇とともに賃料も今後より上昇するものと考えられます。
キャップレート(表面利回り)
キャップレートとは投資家が不動産に期待する利回り(収益性)です。不動産価格は賃料÷キャップレートで計算されるため、キャップレートの低下は不動産価格の上昇を、キャップレートの上昇は不動産価格の下落を意味します。
キャップレートは、長期国債利回りに代表されるリスクフリーレートと不動産リスク・プレミアムで構成されます。6月の長期国債の利回りは約0.068%下落し、住宅系REITの配当利回りは0.026%下落したため、不動産リスク・プレミアムは前月比0.042%上昇とほぼ横ばいとなっています。結果としてキャップレートは3か月間連続で下落し、不動産価格は上昇傾向にあります
Pスコア・適正利回り
2025年4月にPスコアの刷新を行いました。
従来モデルのPスコアは、ワンルームや1K等の投資用および築年数の比較的新しい物件に重きを置いてモデルを作成しておりました。今回、学習データを大幅に増加させることにより、2LDKや3LDK等のファミリー向けや、築年数の古い物件にも対応が可能になりました。
刷新されたPスコアは、1.00〜5.00までの点数で表され、点数が高い方がリスクが低い、つまり将来価格下落リスクが小さく、賃料が安定的に入ってくる物件であることを示します。
先月と比べて、利回りについてスコア1は下落しましたが、スコア5は上昇しております。先月までとは逆に二極化傾向は抑えられています。
3. 注目物件
「THE TOKYO TOWERS」
ー 勝どきエリアの価値を創造した、ランドマークツインタワー ー
今月、改めてその価値に光を当てたいのが、勝どきエリアの象徴的存在とも言える「THE TOKYO TOWERS」です。2008年1月に竣工した地上58階建て、総戸数2,799戸を誇る、ランドマーク性抜群の大規模ツインタワーマンションです。
「SEA TOWER」と「MID TOWER」の二棟で構成されており、竣工から17年以上が経過した今もなお、湾岸エリアのベンチマークとして圧倒的な存在感を放っています。
その後に竣工した「勝どきザ・タワー」「DEUX TOURS(ドゥ・トゥール)」「パークタワー勝どき」と相まって新しい勝どきを形づくり、コロナ禍を通して、その非連続な物件価格上昇を実現しています。
左側から順に「SEA TOWER」「MID TOWER」そして、「勝どきザ・タワー」
中央が「 SEA TOWER」中央左手が「 MID TOWER」、写真左端が「勝どきザ・タワー」、右手が「パークタワー勝どき SOUTH・MID」
この物件の価値を、私が提唱する「CoAMer(カマー)理論」に基づき、「土地(街)」「建物」「管理」の3つの視点、そして市場評価の指標となる「賃料」から分析してまいります。
【土地(街)】都心近接と発展の歴史を体現する「勝どき」
まず【土地(街)】としての価値です。築地の再開発と「HARUMI FLAG」との再開発に挟まれたポテンシャルや、都営大江戸線勝どき駅に限定されない、バスやBRTによる東京・虎ノ門オフィスエリアへの高い利便性は言うまでもありません。しかし、この物件の真の価値は、勝どきという街を「倉庫街」から「都心に最も近い住宅街」へと変貌させる起爆剤となった点にあります。私は当時仕事の関係上近隣のホテルによく立ち寄っていたのですが、THE TOKYO TOWERSの工事中何度も自転車で現地を見に行ったのは記憶に新しいです。
銀座まで約2kmと商業エリアとの近接性があり、かつ東京駅近隣・虎ノ門といったビジネスエリアへの通勤利便性を有する点は、この物件の誕生が職住近接を求める新たな住民層を呼び込み、街の発展の礎を築きました。後続のタワーマンションが次々と誕生する現在も、その歴史的価値と先駆者としてのポジションは揺るぎません。
【建物】「街」を内包する、自己完結型の思想
次に【建物】の持つ力です。THE TOKYO TOWERSの設計思想は、単なる住居の集合体ではなく、一つの「街」を創り出すという壮大なものでした。敷地内に24時間営業のスーパーマーケット「マルエツ」やクリニック、保育施設を内包し、居住者は敷地から出ることなく日々の生活を完結させることが可能です。
さらに特筆すべきは、居住者専用のスポーツクラブ「 SEA SIDE ANNEX」の存在です。25mプール、ゴルフレンジ、フィットネスジム、サウナまで備えたこの施設は、他のマンションの共用施設とは一線を画す本格的なものであり、居住者の生活の質を物理的に向上させています。この「自己完結型」という思想は、多忙な現代人にとって時間を有効活用できるという実利的な価値を提供し、築年数が経過しても陳腐化しない強力な魅力となっています。
左手が「THE TOKYO TOWERS MID TOWER」、右手奥が「THE TOKYO TOWERS SEA TOWER」
【管理】2,797戸(管理組合重要事項調査報告書記載戸数より)のスケールメリット
そして、この物件の資産価値を盤石なものにしているのが【管理】です。約2,800戸という圧倒的な戸数は、管理組合の財政基盤に絶対的な安定をもたらします。これにより、計画的かつ質の高い大規模修繕が可能となり、長期にわたって建物の健全性を維持することができます。また、スケールメリットは管理費や修繕積立金の一戸当たり負担の抑制にも繋がり、居住者の経済的負担を軽減します。この強固な管理体制こそが、建物の物理的価値と居住快適性を未来にわたって維持するための、最も重要な基盤と言えるでしょう。
【賃料】エリアの指標となる、揺るぎない市場評価
これら3つの要素の集大成として、【賃料】は常にエリアのトップクラスを維持しています。その安定した賃料水準は、THE TOKYO TOWERSが持つ普遍的な価値が、賃貸市場において常に高く評価され続けていることの何よりの証明です。なお、母集団としてもMID TOWERの30階までは賃貸専用となっており、賃貸マーケットに対して圧倒的な供給量を誇ります。そういった状況も相まって、この物件の賃料動向は、勝どきエリア全体の相場を牽引するベンチマークであり、投資家にとって最も信頼できる指標の一つとなっています。
資産価値を測る上で参考となるAI等による予測も有用ですが、AIの評価モデルが捉えきれない、これら【土地(街)】の将来性、【建物】の思想、【管理】の質がもたらすプレミアム価値を読み解くことが、不動産投資の成功の鍵となります。
【THE TOKYO TOWERS・物件概要】
所在地: 東京都中央区勝どき6丁目
交通:都営大江戸線 「勝どき」駅 徒歩5分 |
築年月 : 2008年1月
総戸数:2,797戸
構造: RC(鉄筋コンクリート)造 地上58階 地下2階
主な特徴: 24時間スーパー・クリニック等複合施設、居住者専用スポーツクラブ「SEA SIDE ANNEX」(プール、ジム等)、コンシェルジュサービス、ゲストルーム
※本物件にご興味をお持ちの方はもちろん、INVASEでは不動産購入の前段に必要な知識全般のご提供や、更にはご売却・賃貸等の物件マネジメントのご相談を無料カウンセリングサービスJourney(ジャーニー)にて承っております。是非お気軽にお問い合わせください。
4. 注目地域
今月の注目地域:勝どきエリア
ー 第二の成長期を迎える、湾岸のフロントランナー
「THE TOKYO TOWERS」の誕生によって都心近接の住宅地としての地位を確立した勝どきエリアは今、環状第2号線の全面開通やBRT(バス高速輸送システム)の本格運行開始により、第二の成長期を迎えています。
そもそもが築地〜銀座へのアクセスからそのポテンシャルが古くから評価されていた勝どきエリアですが、築地市場が交通ターミナルとしての機能を持つことが決まっており、今後の発展は更に期待されます。
築地・銀座と「街」を繋ぐ「勝鬨橋」
定期的にマルシェ(市場)が開催される公園
かつては鉄道アクセスのみに頼っていた交通網が、都心部へのダイレクトなバス路線という新たな選択肢を得たことで、その利便性は飛躍的に向上しました。
このエリアのポテンシャルをさらに引き上げる存在として期待されるのが、現在建設が進む新たなランドマーク「THE TOYOMI TOWER」です。
【THE TOYOMI TOWER】
※参照 三井不動産レジデンシャル株式会社 webサイト等より抜粋
三井不動産レジデンシャル他が手掛けるこのプロジェクトは、地上54階建て、総戸数2046戸を誇る大規模タワーレジデンスです。勝どきエリアの中でも、よりレインボーブリッジに近い「豊海地区」に位置し、三方を運河に囲まれた開放的な立地が最大の魅力です。
THE TOKYO TOWERSが「街を内包する」思想であったのに対し、THE TOYOMI TOWERは「水辺と緑との共生」を強く意識した設計がなされています。敷地内には広大な緑地空間が創出され、運河沿いのプロムナードと一体となることで、居住者は都心にありながら豊かな自然を身近に感じることができます。
2027年の竣工を目指すこのプロジェクトは、勝どきエリアの第一世代が築いた「都心近接の利便性」という価値の上に、「水辺の潤いと開放感」という新たな魅力を付加します。既存のタワーマンション群が形成する成熟したコミュニティと、これから誕生する新たな開発がもたらす活気。この二つが融合することで、勝どきエリアは、多様なライフスタイルに応える、より懐の深い住宅地へと進化を遂げていくでしょう。
THE TOKYO TOWERSと勝どき・ザタワー、そしてTHE TOYOMI TOWER
街がよりレインボーブリッジを臨む「海側」に伸びる
※当該エリアでのご購入を希望されている方が多くいらっしゃいます。物件のご売却をご検討されていらっしゃる方はこちらよりお気軽にお問い合わせください。
5. INVASE事業責任者・渕ノ上からのメッセージ
ー 目的設定から始まる不動産戦略:Journeyの5Dロジック実践法 ー
今月は、私たちがお客様とのカウンセリングサービス「Journey(ジャーニー)」において、どのようにして戦略を具体化していくのか、その思考のフレームワークである「5Dメソドロジー」の実践法についてお話ししたいと思います。
5Dメソドロジーとは、「Discover(発見)、Define(定義)、Design(設計)、Develop(開発)、Deploy(展開)」という5つのプロセスから成ります。不動産投資という複雑な意思決定を、再現性のある成功へと導くための、私たちの羅針盤です。
1. Discover(発見):本質的目的の発掘
目的からバックキャスティングでアクションを決定することが最も重要です。
私たちは「資産形成をしたい」というご要望に対し、必ず「それはなぜですか?」と問いかけます。将来の私的年金のためか、相続税対策か、お子様の教育資金か、あるいは純粋な資産形成か。この「なぜ」を深掘りし、お客様の人生における不動産投資の「真の目的」を共有することから、すべてのJourneyは始まります。ここが曖昧なままでは、どんなに優れた物件も、お客様にとっての最適解にはなり得ません。
2. Define(目的設定):目的の具体的定義付け
目的を深堀りし、定義付けを行い、選択肢の抽出をおこないます。
不動産購入事例:自己居住用、賃貸用、売買など、あらゆる不動産活用法から最適な組み合わせを検討します。お客様の目的に合致するエリアや、そしてお客様の属性に最適な金融機関をリストアップします。この段階では、可能性を狭めるのではなく、あらゆる選択肢をテーブルの上に広げるためのプロセスとなります。
3. Design(設計):成功へのロードマップを描く
次に、発見した選択肢を基に、具体的な投資戦略を「設計」します。どの物件を、どのような資金計画(自己資金と借入の比率)で取得するのか。購入後の出口戦略(長期保有か、短期売却か)までを見据えた、詳細なキャッシュフローシミュレーションを作成します。これは、航海における詳細な海図を描く作業に他なりません。複数のプランを比較検討し、お客様にとって最もリスクが低く、リターンの高いロードマップを共に作り上げます。
4. Development (展開):「確からしい仮説」の展開
設計図が完成すれば、次はいよいよ実行フェーズです。変数を継続的に確認しながら、「確からしい仮説」を元に事業展開を行います。その中で私たちはお客様のパートナーとして、一つひとつ着実にサポートします。
5. Deployment (実行):仮説・変数の継続分析と実行
物件を手に入れることはゴールではありません。むしろ、本当のスタートです。購入後の賃貸管理、入居者対応、そして定期的な資産状況のレビューと戦略の見直し。市場環境の変化やお客様のライフステージの変化に対応しながら、当初「Define」した目的の達成に向けて、長期的に伴走します。
この5Dロジックというフレームワークがあるからこそ、私たちは感覚的なアドバイスではなく、論理的で再現性の高いコンサルティングを提供できるのです。不動産投資という長い旅路において、皆様の信頼できるナビゲーターとなれましたら幸いです。
※尚、この度、CoAMer理論・Journeyオペレーションについてまとめさせていただいた拙書が、皆様のご愛顧を頂戴しベストセラーを頂戴いたしました!
もしよろしければ是非ご一読いただけましたら嬉しく存じます。
また、ベストセラー御礼として、各物件タイプ別のPros&Consについてまとめたコンテンツをお作りしていますのでお目通しいただけましたら幸いです。
【ベストセラー御礼】CoAMer理論に基づく不動産物件タイプ別
Pros&Cons分析(ベーシック版)
https://note.com/coamer_journey/n/n95019b3bca7c
>>不動産ナビゲーター・渕ノ上 弘和のプロフィールはこちらから
>>不動産投資の基本から応用までを解説。Youtube「不動産ナビゲーターチャンネル」はこちらから
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