1. 不動産投資市場サマリー

※1:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)総合              

※2:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)家賃              

※3:「マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)」を元にMFS作成(東京23区、シングルタイプ 18㎡以上30㎡未満、2009.Q1=100)              

※4:住宅特化型REITの時価総額上位3銘柄(アドバンス・レジデンス投資法人、日本アコモデーションファンド投資法人及びコンフォリア・レジデンシャル投資法人)の分配金利回り平均              

※5:10年国債利回りとREIT利回りの差

        

トピック

 3月版に引き続き、先日6月版のマンション賃料レポートを公開しました。全国的には大阪市・仙台市・札幌市といった地方大都市が健闘しているほか、物件の種類としてはファミリータイプが過去10年程度の賃料相場の牽引役となっていることがデータとして見て取れます。ご興味ある方はぜひご一読ください。

 翻って都心部のシングルタイプに目を向けてみましょう。東京23区のシングルタイプマンション賃料は下図の通り2017年初頭をボトムに2020年第1四半期にかけて約10%上昇し、コロナ禍に突入してもマンション賃料は最大3%程度の下落に留まっています。賃料は基本的に2年に1回の賃貸借契約更新・入居者の入れ替え時にしか変わらないため、ある程度の下方硬直性があるものと考えられます。

 このグラフに、REIT(上場不動産投資信託)を考慮してみましょう。REITは巨額の資金で不動産を運用し、その成果を株式市場で投資家に分配しているファンドです。主に借り入れによる資金調達で不動産を取得・運用しているという点で、投資手法は一般の不動産投資家とさほど変わりません。REITの中でも賃貸住宅を専門に扱っているファンド3銘柄の平均稼働率(入居済物件数/投資物件数)を、上記の賃料と重ね合わせたグラフが以下です。

 前回の賃料上昇が始まった2017年初頭は、ちょうどREITの稼働率が安定的に96%を超え始めた頃と重なります。ここから得られる示唆としては、稼働率が96%を超過(空室率が4%未満)すると賃料に上昇圧力が生じるということです。コロナ禍を経て2022年6月以降は安定的に96%を超過して推移していることから、今後コロナ禍のような大きな経済ショックが怒らない限り、今後シングルタイプのマンション賃料が上昇し始める可能性があるでしょう。

          

前回の賃料上昇局面は、2016年初頭に日銀がマイナス金利を主軸とした大規模金融緩和を開始した後に発生しています。現在日銀は海外情勢などを考慮して金融緩和を微修正していますが、金融緩和を続ける方針自体は一貫していることから、その根幹である「マイナス金利政策」が今後も維持される可能性は高いでしょう。緩和的な金融環境が続く公算が大きい中、遅行指標であるマンション賃料がどのように推移していくか、今後も発信していきます。

     

2. 各種指標の動向

     

賃料・インフレ

 東京都区部のインフレ基調が続いています。今後もマンション賃料がキャッチアップするかに注目です。

キャップレート(表面利回り)

 7月末頃に日銀が金融緩和政策の柔軟化を発表したことで長期金利が大幅に上昇しました。本来金利上昇は不動産にとって向かい風となりますが、そうした中でもREITの値動きから見るキャップレート・リスクプレミアムはやや低下しており、不動産市場は力強さを保っていると言えるでしょう。

Pスコア・適正利回り

 PスコアとはINVASEがAIを駆使して独自開発した、区分マンションの「賃料の安定性」を評価する指標です。Pスコアは0.00〜5.00の間で示され、Pスコアが高いほど賃貸需要や賃料の安定性が高いことを意味します。不動産市場の動向を踏まえ毎月アップデートされるPスコアシミュレーターが指し示す、Pスコアに対応した適正利回りをグラフ化したものが以下です。

 シリコンバレー銀行の破綻等で世界中に信用不安が巡った3〜4月以降、利回りが緩やかな低下基調となっています。

>>Pスコアの解説とシミュレーターはこちらから

>>過去の不動産市場レポートはこちらから

    

3. 最新の注目物件 

Brillia Mare有明TOWER&GARDEN (ブリリアマーレ有明タワーアンドガーデン)

ー再現性が低く希少性が著しく高い有明のフラッグシップマンションー

物件の今後を占う上で重要なポイントとして「希少性」があります。

竣工当時は実現できた豪華な建築・設備仕様でも、現在の土地価格・工事単価を勘案すると、コストの関係上、現状では実現できず、再現性が低いケースは少なくありません。そして、そのような物件の中でもマーケットのニーズに応えてるものは、新しい物件以上に資産価値が高いケースが多いのも事実です。

    

例えば、通常最上階には最高級価格帯の分譲住戸を配置したくなるのが一般的であり、特にゲストルームや、ジム等の共用施設については、昨今のタワーマンションでは下層階に配するのが一般的です。

しかしながら今回ご紹介する「Brillia Mare有明TOWER&GARDEN」は、33階にレストラン、プール、スパ、ゲストルーム、ルーフトップテラスといった、ラグジュアリーな共用部分を集めており、まさに「再現性が著しく低い」フラッグシップタワーマンションといえるでしょう。

(そもそも共用部分のクオリティーも高く、そのロケーションと相まって更なるクオリティーを上げています)

    

竣工当時にはマドンナをCM起用して大きな話題となり、また、「非日常が日常であるために」という「クレド(信条・行動指針)」のもと、積極的な資産価値向上に向けた管理組合マネジメントがなされている特別な物件です。

    

居住用資産価値が高いことから、自己居住用物件としての人気が高いのはもちろん、

賃貸としても、特に月額賃料20万円〜25万円レンジのものは特に、東京・大手町・日本橋・丸の内といったオフィス・コアエリアの企業による借り上げ社宅系のニーズにも応えうる為、安定的な物件の強さがあります。

    

※現在オーナーチェンジ物件がございますので、ご要望の方はお気軽に無料カウンセリングサービスJourney(ジャーニー)にてお問い合わせください。

    

※出典:Brillia Mare有明TOWER&GARDEN 公式

https://bma33.com/

4. 注目地域

今月の注目地域:有明エリア ー有明の再開発ー

 東京オリンピック以降の有明エリアは、やはりその今後が注目されています。

具体的な遊休地の使い方の動向のみならず、他のエリア(勝どき・台場)の開発やその連携、BRTの運行や湾岸地下鉄の建設等含め、今後10年間、そしてその後の動きも目が離せません。

   

■参考■

「臨海副都心有明南地区(再開発等促進区)について ※江東区」

臨海副都心有明北地区に係る都市計画案の説明会 - 東京都都市整備局

    

※様々な憶測はあるものの、現状としては地区計画として公園整備等のエリアを拡大する方針で動いている旨の発表がなされています。

※2023年2月17日開催の「臨海副都心有明北地区に係る都市計画案の説明会」資料より抜粋

    

尚、2020年東京オリンピックの仮設競技会場(BMX・スケードボード)として建設された後、スケートボード施設を除いて撤去された、「有明アーバンスポーツパーク」は、2024年10月に江東区有明に開業を目指しており、東京都により、東京建物を代表にしたコンソーシアム(複数の企業が「共同企業体」を組成して、一つのサービスを共同で行う取引)とされてマネジメントがなされますが、今後のエリア全体の動向も注目です。

    

昨今は「晴海フラッグ」が注目を集めがちですが、その反対側の有明の街の広がりを注視すると、今後の街の展開がより多角的に見えてきます。

    

5. INVASE事業責任者・渕ノ上からのメッセージ

ー「平均値」の罠ー

賃料価格をベンチマークとして、土地(街)、建物、管理の三要素を分析し、不動産のマネジメントを行う手法が「コンドミニアム・アセットマネジメント」ですが、その中で「賃料」の分析に難しさがあるのが実際です。

    

というのも、そもそも一つの区でも街区(町ごと)によって全く異なった賃料の動き方をしますし、また、物件の築年数に伴う建物仕様によっても、隣り合わせの物件が大きく異なる動き方をするケースも多くあります。そのため、単純な平均値を拾っても分析に使用できないケースも少なくありません。

        

先日弊社アナリストよりリリースさせていただいたINVASEの「区分マンション賃料・エリアレポート(2023.6版)」をご覧頂いてもおわかりいただけるように、①エリアを細分化した際の賃料変化の差が大きいため、一般的に使われる「23区平均」ですら数値としては機能し得ないこと、更に、②23区の中でも二極化が鮮明に現れている、という現状が見て取れます。

※このデータは街の物件・世帯・人口構成のみならず、今後の動きの予測にも使用でき、非常に有用ですので是非御覧ください。

    

賃料データ分析の際、平均値・中央値の分析がうまく機能しないため、個別の「物件仕様(築年数・広さ・間取り。設備仕様等)毎にサンプルをピックアップして比較をする、という作業が必要です。この一連の工程は決して容易ではないものの、非常に重要な作業であると言えますので、是非平均値等の表面の数字に流されず、丁寧に分析を進めてください。

    

>>不動産のプロ・渕ノ上 弘和のプロフィールはこちらから:note

   

—--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

INVASEではローンの条件把握から物件のご提案、ローン付けまで一気通貫でご提案可能です。借入可能額を把握できるバウチャーサービス、物件の購入・売却をご検討されている方や立地・条件をご相談されたい方は、無料カウンセリングサービスJourney(ジャーニー)をご利用ください。

    

また、不動産投資ローンの借り換えによる収支改善のご提案も行っております。不動産投資ローンの借り換えを個人で行うことはハードルが高いですが、INVASEであれば【特別金利1.55%〜】からご提案が可能です。

収支を改善したいと思っている方は、まずは借り換え無料Web診断をご活用になってはいかがでしょうか。

    

>>借り換え無料Web診断はこちら

>>借り換え成功事例はこちら

   

>>過去の不動産市場レポートはこちらから