INVASEより不動産投資市場の最新マーケット動向をお届けします。

東京都心部を中心に、物価動向といったマクロデータや金融市場の動向を踏まえた不動産市場分析や、INVASEの注目物件・注目エリア、不動産のプロからのアドバイスもご紹介。
          

*お時間のない方へ、INVASEであれば仲介物件の購入に関するご相談もいただけます。その他ローンに関するご相談や、いま不動産投資をすべきかどうか、どのような立地・条件が良いかなどご相談がございましたら無料カウンセリングサービス「Journey(ジャーニー)」をご利用ください。

1. 金融・不動産市況サマリー

※1:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)総合              

※2:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)家賃              

※3:「マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)」を元にMFS作成(東京23区、シングルタイプ 18㎡以上30㎡未満、2009.Q1=100)              

※4:住宅特化型REITの時価総額上位3銘柄(アドバンス・レジデンス投資法人、日本アコモデーションファンド投資法人及びコンフォリア・レジデンシャル投資法人)の分配金利回り平均 

※5:10年国債利回りとREIT利回りの差

          

トピック

先月は日銀の追加利上げ後、米国の景気後退懸念や中東の地政学リスクの顕在化により、一次パニック的な動きが広がり、金融市場が混乱しました。ただ、その後比較的短期間のうちに市場は落ち着きを取り戻し、現在はダウ平均、日経平均共に月初近くまで回復しています。日銀の利上げにより金利のノーマライゼーションが進み、円安に歯止めがかかると共に長期金利も低下しています。

※参照:日本経済新聞

東証REIT指数も市場の混乱を受けて一時大きく下落しましたが、その後急回復し、現在は8月当初を上回る1,700台半ばで推移しています。

※参照:日本取引所グループ

9月は米国のFOMC(連邦公開市場委員会)にて利下げ決定が想定されており、景気減速を受けた金融緩和の方向性が示されることになります。米国の利下げと日本の利上げという対照的な金融政策により当面円高が進行すると考えられ、それによる日本企業の業績への影響が懸念されます。実質賃金も増加に転じるなど賃金上昇がやっと軌道に乗り始めたこの環境下で日銀が積極的に追加利上げに動くかというとそれも難しく、マイルドな利上げが長期化するというINVASEの見方に変化はありません。不動産のキャップレートは引き続き低位安定し、一方で賃料の上昇が続くことで、不動産価格は底堅く推移すると考えられます。

          

2. 各種指標の動向

賃料・インフレ

東京都区部インフレ率(CPI)の総合指数は前年同月比2%台後半の上昇になっており、確実にインフレが顕在化しています。一方、CPI内の賃料指数は前年同月比0.6%の上昇であり、引き続き緩やかな上昇トレンドとなっています。これは家賃が賃貸契約更新時に見直される遅行指標であることが原因だと推定され、CPI全体の上昇とともに賃料もいずれ2%以上の上昇に転じると考えられます。実際3ヶ月毎に更新される東京23区内のマンション賃料インデックスはすでに前年同期比で4.71ポイントの上昇となっており、賃料の上昇が鮮明になっています。

          

キャップレート(表面利回り)

キャップレートとは投資家が不動産に期待する利回り(収益性)です。不動産価格は賃料÷キャップレートで計算されるため、キャップレートの低下は不動産価格の上昇を、キャップレートの上昇は不動産価格の下落を意味します。

キャップレートは、長期国債利回りに代表されるリスクフリーレートと不動産リスク・プレミアムで構成されます。7月末の日銀の追加利上げを受けて8月の長期国債の利回りは約0.14%低下し、住宅系REITの配当利回りから計算される不動産リスク・プレミアムは前月とほぼ変わらずとなりました。結果としてキャップレートはリスクフリーレートの低下分だけ低下したことになり、不動産価格に上昇圧力がかかっています。

          

Pスコア・適正利回り

PスコアとはINVASEがAIを駆使して独自開発した、区分マンションの「賃料の安定性」を評価する指標です。Pスコアは0.00〜5.00の間で示され、Pスコアが高いほど賃貸需要や賃料の安定性が高いことを意味します。不動産市場の動向を踏まえ毎月アップデートされるPスコアシミュレーターが指し示す、Pスコアに対応した適正利回りをグラフ化したものが以下です。

キャップレートの低下を受けて適正利回りも下降トレンドにあります。

>>Pスコアの解説とシミュレーターはこちらから

>>過去の不動産市場レポートはこちらから

          

3. 最新の注目物件 

ザ湾岸タワーレックスガーデン/アイキャナルメイツ豊洲 

ー湾岸エリアの「ムラ」を読み解く2物件ー

今回は「ザ湾岸タワーレックスガーデン」「アイキャナルメイツ豊洲」という、湾岸エリアにおける物件価格の「ムラ」を表現している2物件をご紹介させていただきます。

     

     
「ザ湾岸タワーレックスガーデン」はりんかい線・東雲駅から徒歩約3分。地上31階、全456邸の免震タワーマンションです。

専有面積38.75㎡のシングル向けのワンルームから、117.69㎡のファミリー向けの3LDKまで多彩なプランニングとなっており、単身からファミリーまで幅広い層が居住しています。

また、近隣バス停からは多くのバスが運航しており、通勤や通学の利便性に対する評価も高く、コンビニやイオン東雲店も徒歩10分以内に位置し、買い物等に困ることはありません。また、直近では近隣に「オーケー東雲店」がオープンしており、より利便性が高まったとお住まいの方々からのお声を多くいただいています。

※物件情報はこちら(ログインが必要となります)

「アイキャナルメイツ豊洲」は、東京メトロ有楽町線「豊洲」駅から徒歩8分、地上13階建、2001年3月竣工・150戸の名鉄不動産旧分譲シリーズ「メイツ」のマンションです。
2024年4月のマンスリーレポートでもご紹介させていただいたマンションですが、直近で近隣の「板状マンション」の流通価格が、周辺タワーマンションに引き上げられるという現象が発生しており、過去の記事の答え合わせとして再度のご紹介をさせていただいています。

※物件情報はこちら(ログインが必要となります)

東雲エリアは、「パークタワー東雲」「プラウドタワー東雲キャナルコート」といったフラッグシップマンションが、平米単価140万円、150万円台で成約する中で、まだ豊洲、晴海、有明といったエリアに比して価格的にヘルシーな案件が散見され、非常に狙い目になりつつあります。

一方、豊洲エリアは高層タワーマンションの価格はコロナ前から安定的に伸びていたものの、中高層タイプマンション(一般的に「板状マンション」と表現されるもの)は、コロナ禍以降物件価格は伸びているものの、高層タワーマンションほど価格がまだ上がっていないケースが散見されています。

今後の仮説としてどれだけ物件価格が伸びるのか、それぞれのマンションにおける仮説を考えた上で、現状の物件価格の「ムラ」(ギャップ)を狙って投資することは非常に合理的ですので、是非トライいただけましたら幸いです。

※本物件にご興味をお持ちの方はもちろん、INVASEでは不動産購入の前段に必要な知識全般のご提供や、更にはご売却・賃貸等の物件マネジメントのご相談を無料カウンセリングサービスJourney(ジャーニー)にて承っております。是非お気軽にお問い合わせください。

          

4. 注目地域

今月の注目地域:「東雲」「豊洲」

 ー 湾岸エリアの「ムラ」を探して ー

INVASEでご提案させていただいている「コンドミニアム・アセットマネジメント」の考え方は賃料をベンチマークとし、不動産を「土地(街)」「建物」「管理」の3要素に分けて分析を行います。

その際に、特に「土地(街)」「建物」については、その時々のマーケットとの関係で「ムラ」(ギャップ)が生じるのが実際です。今回は「ザ湾岸タワーレックスガーデン」と「アイキャナルメイツ豊洲」という二つの物件をサンプルとしてピックアップしましたが、「街のムラ」について、「建物仕様関連のムラ」との関係も含めフォーカスしたいと思います。

【東雲】

          

【豊洲】

湾岸エリアでは、話題の「晴海フラッグ」「パークタワー勝どき」といった大規模マンション、更には月島の新規再開発(着工2案件・未確定1案件)や、有明・豊洲の「公園系再開発」(私が勝手に使っている言葉ですが・・・)と、物件価格へのインパクトがある話題が多いのが実際です。

もちろん今回ピックアップする東雲・豊洲も決して話題は少なくないのですが、自宅投資(自己居住用物件の購入)を含めた不動産投資家の皆様が、今一番どこにフォーカスしているのか、という観点からは、ちょうど物件価格の踊り場にあると言え、物件価格も割安感が強い傾向があります。

【ムラが発生する理由】

東雲エリア

東雲エリアは、大規模賃貸住宅「CODAN」とイオンを軸に展開され、並行してその周りのタワーマンションの物件価格が伸びている傾向があります。具体的には「CODAN→近隣タワーマンション」といった人の流れができており、エリア完結の新陳代謝が生じているとも言えます。

そのような状況の中で、前述の「パークタワー東雲」、「プラウドタワー東雲キャナルコート」といったブランディングマンションの価格が先行して伸びたものの、他の湾岸エリアに注目が集まるようなイベント(前述の例や、湾岸地下鉄路線の新設等)が発生する中で、直近では一旦踊り場的状況にもあったと言えます。

しかし、東京駅へのバスアクセスや、有明等の開発を通してりんかい線の今後の発展等が想定されるため、もちろん決して弱い街ではありません。

どうしてもピックアップ・フォーカスされているところに目が行ってしまうのが実際の傾向ですが、メディアによる発信や、ドライバーとなる近隣新築物件等の竣工に起因し「気づき」が発生すると一気に物件価格が跳ねるケースは過去事例を見ても多くあります。

豊洲エリア

豊洲エリアは、前述のように既にタワーマンションの価格が上がっており、その中で板状マンションの価格がまだタワーマンションの値上がりにキャッチアップしていない状況が散見されていました。しかし、タワーマンションのファミリータイプで1億円を超えてしまう状況下では、70㎡、3LDKの板状マンションが8,000万円前後で購入できることは非常に魅力的に映ります。

結果として豊洲エリアでは「タワーと板状」という建物仕様によるムラが埋まりつつあり、ファミリータイプの板状マンションの価格がじわじわと伸びてきているのが実際です。

【コンドミニアム・アセットマネジメントの観点から】

コンドミニアム・アセットマネジメントの観点からは、賃料をベンチマークにその資産性を考えていきますが、東京23区内のファミリータイプ物件の賃料の上がり方は、非常に面白いものがあります。

2009年1月からの賃料の上がり方を示す「区分マンション賃料・エリアレポート(2024.6版)」等をご参照いただいても、「ムラ」のあるエリア・物件タイプは、上位にエントリーされにくいのが実際です。

※INVASE 区分マンション賃料・エリアレポート(2024.6版)より抜粋

まだ賃料、そしてそこから導かれる物件価格が上がっていないエリアが伸びる「潮目(きっかけ)」をご一緒に拾い、投資活動に活用できたらと考えております。


※当該エリアでのご購入を希望されている方が多くいらっしゃいます。物件のご売却をご検討されていらっしゃる方はこちらよりお気軽にお問い合わせください。   

       

5. INVASE事業責任者・渕ノ上からのメッセージ

ー 賃料安定性をベンチマークに投資活動を分析ー

渕ノ上


投資活動を行う上で「できるだけ安く購入する」ことは何よりも重要であると言われます。

もちろん基本的事項ではありますが、私はそもそも「安い」とされる物件には二つの種類があると考えています。

1.購入時の相場から見て廉価である

例:直近で同様の部屋が6,980万円で成約している旨のデータがあるにも関わらず、6,480万円という妥当性の低い価格で売り出されているもの(割安なもの)を購入する。

2.自身の目的から考えて廉価である

例:10年後に現金化したいことから、長期的な値上がりを見越して購入しているため、現状のマーケットから見ると「一般的な価格」で売り出されているものを購入する。

1のケースは、売主様側に何らかの事情(売主様が急いでいる、情報の非対称性から本来の価格がわかっていない・・・等)がない限り通常はありえません。このように売主様が一方的に損をしてしまっているケースは多く散見され、寂しい部分は否めません・・・

2のケースは、売主様側の損得関係なく、また、購入時マーケットから見た著しい割安さを求めずに購入するため、物件をマーケットプライスで購入することとなりますが、それでもマーケット全体の変数をきちんと把握すれば通常負けることはありません。そして、更に今回お伝えしている物件価格・賃料の「ムラ」を拾えば、より大きな利益を生むことが可能となります。

具体的なアクションとしては、例えば、晴海フラッグのように多くの方が期待を持って購入するものが継続的に上がるのかを、「土地(街)」「建物」「管理」の三要素の動きを分析して仮説を立てる、もしくは自分自身で直接働きかける(例:建て替え、物件リニューアル等)ものがありますが、ご自身で採用しうるアクションが何かは丁寧に見る必要があります。

私も区分所有マンションの外壁を変えるという「建物」「管理」へのアクションで賃料向上アクションのお手伝いをさせていただいたことがありましたが、総会決議をはじめ一定のハードルがあったと感じています。

「”ライオンズマンション茅場町”の管理組合の取材してきました!」

https://note.com/coam/n/n4d06c6c9813b

変数に働きかけることが難しい以上、変数の動き方を読み解き「ムラ」を把握してマーケットの動きに乗ることとなりますが、単純な「逆張り」ではなく、細かなファクトに基づいた仮説設定をどれだけ精度高くできるかが鍵になります。

例えば、リーマンショックの後、不動産に怖さを感じられた方が多くいらっしゃいましたが、日本橋、赤坂等の人気の街でのレジデンス賃料(変数)を見る限り、購入を控える状況ではなかったと言えます。これと同じことはコロナ禍の際にも生じており、その際に誤った仮説設定を行ってしまったアナリストの方も多く散見されました。

また、当時の湾岸物件は今から振り返れば非常に割安に見えますが、一旦新築から中古になるタイミングで価格が弱部含みになったことを勘案すると、当然に割安と言える状況ではなかったかと存じます。(もちろんその後すぐに盛り返してはいますが・・・)

その時々の物件価格のムラと、今後の伸びしろ、そして出口に向けた具体的な検討を、個々の変数を拾い、丁寧に事実ベースで仮説を立てられるか・・・この確からしさの確保が不動産投資における重要なポイントといえます。

変数を元にした仮説設定が不動産投資の面白さといっても過言でないのが実際です。

是非ご一緒に当該分析を行えましたら幸いです。

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また、不動産投資ローンの借り換えによる収支改善のご提案も行っております。不動産投資ローンの借り換えを個人で行うことはハードルが高いですが、INVASEであれば特別金利でのご提案も可能です。

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