不動産投資では、ローンを利用することにより、高いレバレッジによる投資が可能です。一方、高いレバレッジがかかる分、不動産価格の下落や空室といった資産価値の変動が投資リターンに与える影響が大きくなります。そのため、投資を行う際に適切なリスクの把握が必要になります。
INVASEでは、これまで不動産のリスク指標として「Pスコア」(※特許取得済)を開発し、提供してきました。今回、より精緻に価格や賃料を推定するAIモデル CAPM(Condominium Asset Pricing Model)を開発し、Pスコアを刷新しました。本稿ではCAPM、刷新したPスコアの概要及びオススメの使い方について解説します。
今回ご紹介するPスコアやCAPMによる評価価格・適正賃料は、投資物件購入アプリINVASE Proより閲覧可能です。
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1.リスクを推定することの重要性とPスコア
PスコアはINVASEが開発した投資用不動産のリスク指標です。それでは、なぜ不動産投資のリスク指標が必要なのでしょうか。
不動産投資ではローンの利用により、少ない自己資金で大きな金額の投資が可能です。一方、高いレバレッジをかけた投資となるため、リスク管理が重要です。
不動産投資のリスクとは、価格変動リスクであったり、空室リスクであったりするわけですが、それを具体的な数字で表す指標がこれまでありませんでした。渋谷駅から徒歩5分なので安全です、とか、今後開発が見込まれる地域に建つタワマンだから安全です、とか、具体的な条件を羅列して説明されても、共通の尺度がないと相対的な判断ができません。債券に格付けが付いていて安全度が一つの尺度で測れるように、不動産も共通の尺度でリスクを表現できないかという考えから作られたのがPスコアです。
INVASEが開発したリスク指標Pスコアを使用することによって、不動産マーケットにおけるリスクとリターンの関係を把握し、自身が取れるリスクに応じた投資が可能になります。
2.不動産価格の推定AIモデル CAPMとは
不動産価格は原則「年間賃料÷キャップレート(利回り)」の計算式で決まります。賃料は物価水準や賃貸需要によって変動し、キャップレートは市場金利、不動産のリスクプレミアムやインフレ率により変動します。
リスクとリターンには高い相関性があるため、リスクの高い不動産は高いキャップレート、リスクの低い不動産は低いキャップレートになるはずです。
INVASEでは、これまでのPスコアの算出根拠としていた学習データの25倍以上のデータ量及び4倍以上の特徴量を持つAIモデルCAPM(Condominium Asset Pricing Model)の開発を行い、これまでのPスコアよりはるかに精緻な不動産価格及び賃料を推定することが可能になりました。
CAPMの開発に伴い、CAPMから算出される評価価格と適正賃料からキャップレートを計算し、それをスコア化したPスコアを新しい不動産リスクの指標とします。
*2025年6月期 第2四半期 決算補足説明資料 p42より抜粋(https://ir.mortgagefss.jp/presentations/)
*モデルは「目的変数」(今回は、売買価格および賃料)とそれに影響する「説明変数」(例:所在地、最寄駅、駅徒歩、築年数、専有面積)の複雑な関係を、与えられた学習データ(目的変数と説明変数が揃ったデータ)から学習し、目的変数を高い精度で推定できるように構築されております。
CAPMによる評価価格、適正賃料、適正利回り及びPスコアは、投資物件購入アプリINVASE Proより閲覧可能となっております。
*2025年6月期 第2四半期 決算補足説明資料 p41より抜粋(https://ir.mortgagefss.jp/presentations/)
3.新モデルCAPMと従来モデルにおけるPスコアの関係
従来モデルのPスコアは、ワンルームや1K等の投資用および築年数の比較的新しい物件に重きを置いてモデルを作成しておりました。今回、学習データを大幅に増加させることにより、2LDKや3LDK等のファミリー向けや、築年数の古い物件にも対応が可能になりました。
刷新されたPスコアは、1.00〜5.00までの点数で表され、点数が高い方がリスクが低い、つまり将来価格下落リスクが小さく、賃料が安定的に入ってくる物件であることを示します。
従来のPスコアについての詳細は以下の記事をご覧ください。
4.Pスコア、評価価格及び適正賃料をどのように使うか
Pスコア、評価価格及び適正賃料の使い方について解説します。
第一に、不動産は大きな買い物なので、ついつい割安物件を探そうとしがちですが、市場が効率的である以上、リスクに対して過大なリターンが取れる物件などは基本的にはなく、そういうことに時間とエネルギーを使うことは無駄です。Pスコアを使えば、自分の取るリスクに応じた物件はどういうものか、その場合はどれくらいのリターンになるのか、を把握することができ、自らの投資目的に合致した物件を効率的に探すことができます。
第二に、具体的に購入を検討している区分マンションがあれば、CAPMによる評価価格と実際の販売価格を比較してみて、大きな乖離がある場合は、その背後には何かあるのではないかと考え、一歩踏み込んだ調査を行うきっかけにできます。特に、販売価格がCAPMから推定される価格より大幅に安い場合は、何らかのトラブルや不具合が隠されている可能性を疑った方がいいでしょう。
第三に、今保有している物件について評価価格や適正賃料をチェックすることができます。CAPMが導く評価価格は今当該物件を売った場合にどれくらいの価格で売れるのかを示しており、また、適正賃料は今物件を貸し出した場合にどれくらいの賃料で貸せるかを示しています。現在保有している物件の最新情報を反映した評価価格や適正賃料を把握しておくことで、適切な売却タイミングを見つけたり、賃料改定の交渉の材料にすることができます。
今回ご紹介したPスコアやCAPMによる評価価格及び適正賃料は、投資物件購入アプリINVASE Proより閲覧可能です。ぜひ、ご利用ください。
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