年収900万円と聞くと、高収入で余裕のある生活ができるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、税金や社会保険料が引かれることで、手取り額は想像以上に少なくなります。
この記事では、年収900万円の方の手取り額を具体的に計算し、実際の生活レベルや税金負担について詳しく解説します。
また、年収900万円と1000万円ではどちらが得なのか、年収900万円の割合や難易度、さらには不動産投資を活用した節税対策まで、網羅的にご紹介します。
将来の資産形成を考える上で、自分の手取り額を正確に把握することは非常に重要です。ぜひ最後までお読みいただき、賢いマネープランの参考にしてください。
年収900万円の手取り額はいくらになるのか
年収900万円の方の手取り額は、およそ650万円〜680万円程度になります。
年収から差し引かれる主な項目は、所得税、住民税、社会保険料の3つです。
これらの控除額は、家族構成や加入している保険の種類、住んでいる自治体などによって変動しますが、一般的には年収の約25〜28%程度が控除される目安となります。
手取り額の計算方法
手取り額を正確に把握するためには、以下の計算プロセスを理解する必要があります。
まず年収900万円から給与所得控除を差し引いて、所得税の計算基礎となる給与所得を算出します。
給与所得控除には上限があり、年収900万円の場合、給与所得控除額は195万円となります。したがって、給与所得は705万円です。
次に、この給与所得から基礎控除や社会保険料控除などの各種控除を差し引いて課税所得を計算し、所得税率を適用します。課税所得は控除状況によって大きく変動するため、同じ年収900万円でも家族構成や加入している保険によって税額は異なります。
独身者と扶養家族がいる場合の違い
独身者の場合、年収900万円の手取りは約650万円程度です。
一方、配偶者や子どもなどの扶養家族がいる場合は、配偶者控除や扶養控除が適用されるため、課税所得が減少し、手取り額は増加します。
たとえば配偶者控除と子ども2人の扶養控除が適用されると、手取り額は約680万円程度まで増える可能性があります。
扶養控除は1人あたり38万円、配偶者控除も38万円となるため、3人分の控除があれば課税所得が114万円減少し、その分の税負担が軽減されます。
ボーナスありの場合の月々の手取り
年収900万円でボーナスありの場合、月々の手取り額は計算方法によって変動します。
たとえば、年収900万円のうちボーナスが年間180万円の場合を考えてみましょう。
月給は60万円×12ヶ月で720万円、これにボーナス180万円を加えて年収900万円となります。
年間の手取りが約650万円だとすると、ボーナスの手取りが約140万円、月給の手取りが約42.5万円程度になる計算です。
ボーナスには通常の給与と同様に所得税や社会保険料がかかりますが、ボーナス時の税率は前月の給与額を基準に計算されるため、月給とは異なる税額になる点に注意が必要です。
年収900万円にかかる税金と社会保険料の内訳
年収900万円の方が実際に負担する税金と社会保険料について、具体的な金額を見ていきましょう。
所得税の計算
年収900万円の所得税額は、独身者の場合で約60万円台後半から70万円程度になります。
所得税は累進課税制度を採用しており、所得が高くなるほど税率も上がります。
ただし、税率は年収ではなく課税所得で決まるため、各種控除の状況によって実際の税率区分は変わります。
具体的な計算方法を見てみましょう。年収900万円から給与所得控除195万円を引くと給与所得は705万円です。
ここから基礎控除48万円と社会保険料控除約130万円を差し引くと、課税所得は約527万円となります。
この課税所得は所得税率の区分では330万円超695万円以下に該当するため、主に20%の税率が適用されます。
課税所得が695万円を超える場合には、超過部分に23%の税率が適用されることになります。
課税所得約527万円に対する所得税は以下のように計算されます。
195万円以下の部分については195万円×5%で9.75万円、195万円超330万円以下の部分については135万円×10%で13.5万円、330万円超の部分については197万円×20%で39.4万円となります。
合計で約62.65万円となり、ここに復興特別所得税として2.1%が上乗せされるため、最終的な所得税額は約64万円前後となります。
ただし、住宅ローン控除などの税額控除が適用される場合は、さらに税額が減少します。
※参照:国税庁「所得税の税率」
住民税の計算
年収900万円の住民税額は、約50万円〜55万円程度です。
住民税は所得割と均等割の2つで構成されており、所得割の税率は一律10%です。
住民税の計算も所得税と同様に各種控除を適用しますが、控除額が所得税とは異なる点に注意が必要です。
住民税の課税所得は、給与所得705万円から基礎控除43万円(住民税の基礎控除は所得税より5万円少ない)と社会保険料控除約130万円を差し引いた約532万円となります。
これに10%の税率を適用すると所得割は約53.2万円、これに均等割(自治体により異なりますが概ね5,000円程度)を加えた額が住民税の総額となります。
※参照:総務省「個人住民税」
社会保険料の負担額
年収900万円の社会保険料は、概ね130万円〜140万円程度です。
社会保険料には、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料が含まれます。これらは給与額に応じて算出されますが、標準報酬月額には上限があるため、高収入になっても無限に増え続けるわけではありません。
また、月給と賞与の配分によって標準報酬月額や賞与保険料の計算が変わるため、同じ年収でも支給形態によって保険料が若干変動します。
健康保険料は標準報酬月額に基づいて計算され、協会けんぽの場合は都道府県によって料率が異なりますが、概ね10%程度です(事業主と労働者で折半)。
厚生年金保険料は18.3%の料率で、こちらも事業主と労働者で折半します。雇用保険料は業種によって異なりますが、一般の事業では0.6%程度です。
年収900万円を月給とボーナスに配分した場合の概算として、健康保険料は年額約45万円〜50万円(本人負担分)、厚生年金保険料は年額約75万円〜85万円(本人負担分)、雇用保険料は年額約5.4万円程度となり、合計すると年間で約125万円〜140万円となります。
ただし、これは標準報酬月額の等級や加入している健康保険組合、都道府県の料率によって変動するため、あくまで目安としてお考えください。
※参照:日本年金機構「厚生年金保険料額表」
年収900万円の生活レベルと実態
手取り650万円程度で、実際にどのような生活ができるのでしょうか。年収900万円の生活実態について見ていきましょう。
年収900万円は本当にすごいのか
年収900万円は、日本の給与所得者全体の中では上位層に入る高収入です。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、令和4年分の平均給与は約458万円です。
年収900万円はこの約2倍に相当し、客観的に見れば間違いなく高収入と言えます。
年収900万円超の給与所得者の割合は、国税庁の最新データ(令和6年分)によると、900万円超1000万円以下が約2.4%、1000万円超の各階級を合計すると全体で約8〜9%程度となっています。
つまり、年収900万円以上を得ている方は、給与所得者全体の上位約1割程度という位置づけです。
※参照:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
年収900万円を達成する難易度
年収900万円の達成難易度は非常に高く、計画的なキャリア形成が必要です。
年齢別に見ると、40代で年収900万円以上を得ている割合は約7〜8%程度とされています。
20代や30代ではさらに割合は低く、一般的には40代後半から50代にかけて到達するケースが多い水準です。
年収900万円に到達するための主な方法としては、大手企業で管理職に昇進する、専門資格を活かした職業に就く、営業成績などで高い成果報酬を得る、起業や副業で収入を増やすなどが挙げられます。
いずれの方法も、長年の経験や努力、専門性の蓄積が必要であり、決して容易に達成できる水準ではありません。
年収900万円でも生活が苦しいと感じる理由
年収900万円でも、生活が苦しいと感じる方は少なくありません。
その主な理由は、税金と社会保険料の負担が重いことです。
年収900万円でも手取りは約650万円程度となり、約250万円が控除されます。
これは年収の約28%に相当し、給与のおよそ3分の1近くが天引きされる計算です。
また、年収900万円の方は、それに見合った生活水準を維持しようとする傾向があります。
住宅ローンや教育費、車の維持費など、固定費が高額になりやすく、自由に使えるお金は思ったほど多くないと感じることがあります。
さらに、都市部に住んでいる場合は物価や家賃が高く、子どもの教育費に私立学校や習い事の費用がかさむケースも多いです。
特に東京都心部では、年収900万円でも中流の生活水準と感じる方もいます。
月々の生活費のシミュレーション
年収900万円の手取り月額約54万円で、実際の生活費がどのように配分されるのか見てみましょう。
独身者の場合、家賃15万円、食費6万円、水道光熱費1.5万円、通信費1万円、交通費1万円、交際費5万円、趣味・娯楽費5万円、被服費3万円、保険料2万円、その他雑費3万円で、合計約42.5万円となります。
この場合、月々約11.5万円の貯蓄が可能です。
一方、配偶者と子ども2人の4人家族の場合は、家賃20万円、食費10万円、水道光熱費2.5万円、通信費2万円、交通費1.5万円、教育費8万円、保険料3万円、交際費・娯楽費5万円、被服費3万円、その他雑費5万円で、合計約60万円となります。
手取りが約56万円(扶養控除適用後)の場合でも、貯蓄は月々数万円程度にとどまる可能性があります。
このように、家族構成や居住地、ライフスタイルによって、年収900万円でも余裕のある生活とは限らないことがわかります。
年収900万円と1000万円どっちが得なのか
年収900万円と1000万円では、単純に1000万円の方が手取りが多くなりますが、税負担の増加も考慮する必要があります。
手取り額の比較
年収900万円の手取りが約650万円に対し、年収1000万円の手取りは約710万円〜720万円程度です。
年収が100万円増えても、手取りの増加は約60万円〜70万円程度にとどまります。
これは、年収が上がることで所得税や住民税の負担額も増加するためです。
年収1000万円になると、課税所得が695万円を超える可能性が高くなり、所得税率23%の区分に入る部分が増え、実効税率も上昇します。
児童手当の制度変更について
令和6年10月分から、児童手当の所得制限は撤廃されています。
以前は高所得者に対して児童手当の支給制限や所得上限が設けられていましたが、令和6年10月分から所得制限が撤廃され、年収にかかわらず児童手当が支給されるようになりました。
制度改正の反映は自治体の支給スケジュールにより、12月支給分(10〜11月分)から反映されるケースが多いです。
したがって、現行制度では年収900万円でも1000万円でも、児童手当の受給には影響しません。
ただし、今後の制度改正で再び所得制限が導入される可能性もあるため、最新の情報を確認することをおすすめします。
※参照:政府広報オンライン「児童手当が大幅拡充」
税率と控除のバランス
年収900万円の場合、課税所得は控除状況にもよりますが多くのケースで695万円以下に収まり、所得税率20%の区分が中心となります。
一方、年収1000万円になると課税所得が695万円を超える可能性が高まり、超過部分には23%の税率が適用されます。
住民税は一律10%ですが、課税所得が増えるため、絶対額は増加します。
また、年収が一定額を超えると配偶者特別控除の額が減少するなど、各種控除の適用範囲が狭まる可能性もあります。
このため、年収100万円アップしても、実質的な手取り増加は期待ほど大きくならないケースがあります。
ただし、それでも手取り額自体は増加するため、総合的には年収1000万円の方が経済的には有利と言えます。
年収900万円を超えると何が変わるのか
年収900万円を超える、特に年収1000万円の大台に乗ると、税制面や社会保障面でいくつかの変化が生じる可能性があります。
所得税の税率変化
年収900万円台では、控除状況によって課税所得が695万円以下に収まることが多く、所得税率20%の区分が適用される部分が中心です。
一方で、課税所得が695万円を超えると、超過部分には23%の税率が適用されます。
さらに、課税所得が900万円を超えた部分には33%の税率が適用されます。
ただし、これは超過累進課税のため、税率が上がるのは超えた部分のみであり、それ以下の部分には従来の税率が適用されます。
税率は年収ではなく課税所得で決まり、控除状況によって20%帯にも23%帯にもなり得ます。
そのため、同じ年収900万円でも、扶養家族の有無や各種保険料の支払い、住宅ローン控除の適用などによって、実際の税負担は大きく変わることに注意が必要です。
※参照:国税庁「所得税の税率」
高額療養費制度の自己負担上限
年収が増えると、高額療養費制度における自己負担限度額の区分が変わります。
高額療養費の所得区分は年収900万円が境目というより、目安として年収約770万円などで区分が切り替わるため、詳細は制度の区分表で確認が必要です。
具体的には、標準報酬月額53万円以上83万円未満の区分では、自己負担限度額は月額約16.7万円程度となります。
一般区分(標準報酬月額28万円〜50万円)の自己負担上限額が約8.7万円程度であることと比較すると、医療費が高額になった場合の自己負担が増える可能性があります。
※参照:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
社会的イメージと責任
年収900万円を超えると、社会的には高所得者層と見なされます。
職場では管理職や専門職として、より高い成果や責任が求められることが一般的です。
また、家族や親族からの経済的な期待も高まり、冠婚葬祭や贈答の金額も相応のものが期待される場面が増えるかもしれません。
こうした社会的な立場の変化も、年収900万円を超えた際に意識しておくべき点です。
年収900万円の割合と属性
年収900万円以上の給与所得者は、全体の約8〜9%程度です。
全体における年収900万円以上の割合
国税庁の民間給与実態統計調査(令和6年分)によると、年収900万円超1000万円以下の給与所得者は全体の約2.4%、年収1000万円超1500万円以下が約4.5%、年収1500万円超2000万円以下が約1.1%、年収2000万円超2500万円以下が約0.3%、年収2500万円超が約0.3%となっています。
これらを合計すると、年収900万円以上の層は全体の約8.6%程度となります。
給与所得者数は統計年次によって変動しますが、数千万人規模のうち、年収900万円以上は上位約1割という位置づけです。
※参照:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
40代における年収900万円の割合
40代で年収900万円以上を得ている割合は、約7〜8%程度とされています。
年齢別の年収分布を見ると、年収は年齢とともに上昇する傾向があり、特に40代後半から50代前半にかけてピークを迎えます。
40代で年収900万円に到達している方は、大企業の課長職以上、専門職、成功した自営業者などが中心です。
男女別で見ると、男性の方が年収900万円以上の割合が高く、女性では非常に限られた割合となっています。
これは、管理職への登用率や正規・非正規雇用の比率の違いなどが影響していると考えられます。
どのような職業・業種が多いのか
年収900万円以上の方が多い職業・業種としては、以下が挙げられます。
大手企業の管理職では、製造業、金融業、商社、ITなどの大手企業で部長職以上になると年収900万円を超えることが一般的です。
専門職では、医師や歯科医師は勤務医でも年収900万円以上が多く、弁護士、公認会計士、税理士なども経験を積むと年収900万円以上になるケースが多いです。
金融業界では、証券会社、投資銀行、保険会社などで営業成績による歩合給で年収900万円を超える方も少なくありません。
IT・コンサルティング業界では、大手IT企業のシニアエンジニアやプロジェクトマネージャー、経営コンサルタントなども高年収が期待できます。
その他、不動産業界の営業職、製薬会社のMR(医薬情報担当者)なども、成果次第で年収900万円以上を実現できる職種です。
年収900万円の方が注意すべき税金対策
年収900万円の方は税負担が重いため、合法的な節税対策を知っておくことが重要です。
ふるさと納税の活用
年収900万円の方は、ふるさと納税の上限額が家族構成によって異なりますが、概ね13万円〜16万円程度になります。
ふるさと納税は、自己負担2,000円で地域の特産品などの返礼品を受け取れる制度で、実質的に住民税の先払いとなります。
年収900万円の方であれば、独身または共働きの場合で約15万円前後、扶養家族がいる場合は約13万円〜14万円程度のふるさと納税が可能です。
返礼品の還元率を30%と仮定すると、約4万円〜5万円相当の商品を実質2,000円で受け取れる計算になります。
ただし、上限額は家族構成や他の控除の状況によって大きく変動するため、事前にシミュレーターで確認することをおすすめします。
※参照:総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
※参照:ふるさとチョイス「控除上限額シミュレーション」
※参照:さとふる「控除上限額の早見表」
iDeCoを活用した所得控除
個人型確定拠出年金であるiDeCoは、掛金全額が所得控除の対象となります。
会社員の上限額は、勤務先の企業年金の有無や掛金状況によって変わります。
企業年金がない場合は月額2.3万円(年額27.6万円)まで拠出でき、企業年金(確定給付型など)がある場合は月額2.0万円(年額24.0万円)などとなります。
2024年12月に制度改正が行われ、企業年金加入者の一部で上限が引き上げられるなど、条件が複雑化しています。
年収900万円の方で課税所得が695万円以下の場合、所得税率20%と住民税率10%を合わせて約30%、月額2万円を拠出すると年間約7.2万円程度の節税効果があります。課税所得が695万円を超える場合は所得税率23%となるため、節税効果はさらに大きくなります。
さらに、運用益も非課税となり、将来の年金受取時も退職所得控除や公的年金等控除が適用されるため、長期的な資産形成と節税の両方が期待できます。
今後も制度改正が予定されているため、最新の条件は公式サイトや金融機関の案内で確認することをおすすめします。
※参照:国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」
※参照:政府広報オンライン「iDeCoがより活用しやすく 2024年12月法改正のポイント」
生命保険料控除と医療費控除
生命保険料控除は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のそれぞれで最大4万円ずつ、合計12万円まで所得控除が受けられます。
年収900万円の方であれば、約3万円〜4万円程度の節税効果があります。
また、年間の医療費が10万円を超えた場合、または総所得金額等の5%を超えた場合は、医療費控除を受けられます。
家族全員分の医療費を合算できるため、家族が多い場合は特に有効です。
不動産投資を活用した節税
不動産投資は、減価償却費や借入金利息などの経費計上により、給与所得と損益通算できる可能性があります。
不動産投資を開始すると、建物部分の減価償却費、管理費、修繕費、固定資産税、ローンの利息などを経費として計上できます。
特に初年度や大規模修繕の年は経費が大きくなり、不動産所得が赤字になることもあります。
この赤字は給与所得と損益通算できるため、課税所得を圧縮し、所得税・住民税を減らす効果があります。
年収900万円で課税所得が695万円以下、税率20%の方であれば、不動産所得の赤字100万円で約30万円の節税効果が期待できます。
ただし、節税だけを目的とした不動産投資にはリスクがあります。減価償却による節税は実質的には税の繰延べであり、将来の売却時に譲渡税として回収される可能性があります。
また、収益性が弱い物件を節税目的で購入すると、キャッシュフローが悪化し、手残りが減ってしまいます。
重要なのは、節税額ではなく税引後のキャッシュフローで判断することです。長期的な収益性やキャッシュフローを重視した物件選びが重要です。
年収900万円から資産形成を考える
年収900万円は、本格的な資産形成を始めるには十分な水準です。
貯蓄と投資のバランス
手取り約650万円の場合、生活費を差し引いても月々10万円〜15万円程度の余裕資金が生まれる可能性があります。
この余裕資金を効率的に運用することで、将来の資産形成が大きく変わります。
基本的な考え方としては、生活費の6ヶ月〜1年分を預貯金として確保し、残りを投資に回すことが推奨されます。
年収900万円の方であれば、生活費を月50万円と仮定すると、300万円〜600万円程度を緊急予備資金として確保し、それ以上の部分を投資に回すことが考えられます。
NISA・つみたてNISAの活用
2024年から新しいNISA制度が始まり、年間投資枠が大幅に拡大されました。
新NISA制度では、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円で、合計年間360万円まで非課税で投資できるようになりました。
生涯投資枠も1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)と大きく拡大されています。
年収900万円で月々15万円の投資資金が確保できる場合、年間180万円をNISA枠内で運用することが可能です。
20年間、年利5%で運用できたと仮定すると、元本3,600万円が約6,100万円に成長する計算になり、運用益約2,500万円が全額非課税となります。
※参照:金融庁「新しいNISA」
不動産投資による安定収入の構築
不動産投資は、長期的な安定収入源として、年収900万円の方に適した資産形成手段です。
年収900万円あれば、金融機関から比較的有利な条件で融資を受けられる可能性が高く、自己資金が少なくても投資用不動産を購入できるかのうせいがあります。
ワンルームマンションであれば、都心部でも2,500万円〜4,000万円程度から投資を始められます。
不動産投資のメリットは、毎月の家賃収入という安定したキャッシュフローが得られること、団体信用生命保険により万が一の際の生命保険代わりになること、インフレに強い実物資産であること、前述の通り節税効果が期待できることなどが挙げられます。
ただし、空室リスク、修繕費用、金利上昇リスクなども考慮する必要があります。
信頼できる不動産投資会社と相談しながら、収益性の高い物件を選ぶことが成功の鍵となります。
早期リタイアやFIREの可能性
年収900万円から計画的に資産形成を進めれば、早期リタイアやFIREも視野に入ります。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は、経済的自立を達成して早期退職を目指すライフスタイルです。
一般的には、年間支出の25倍の資産を築き、資産の4%で生活するという4%ルールが知られています。
年間支出が400万円の場合、1億円の資産があれば、運用益だけで生活できる計算になります。
年収900万円で手取り650万円、そのうち年間250万円を投資に回せる場合、年利5%で運用すると約20年で1億円に到達する可能性があります。
さらに不動産投資で月々15万円の家賃収入(年間180万円)が得られれば、必要な資産額は約8,000万円程度に減り、FIRE達成までの期間も短縮できます。
年収900万円の方におすすめの不動産投資戦略
年収900万円という属性を活かして、効果的な不動産投資を行うためのポイントを解説します。
融資を活用したレバレッジ投資
年収900万円であれば、金融機関から5,000万円〜8,000万円程度の融資を受けられる可能性があります。
不動産投資の最大の特徴は、レバレッジを効かせられることです。自己資金500万円で500万円の金融商品を買う場合と、自己資金500万円で5,000万円の不動産を買う場合では、同じ利回りでも得られるリターンが大きく異なります。
たとえば、年収900万円の方が自己資金300万円、融資3,700万円で4,000万円のワンルームマンションを購入したとします。
月々の家賃収入が12万円(年間144万円)、実質利回りが4%の場合、ローン返済や経費を差し引いた手残りキャッシュフローを慎重に計算する必要があります。
ローン返済後も家賃収入は継続するため、長期的には大きな資産形成につながります。
都心部の中古ワンルームマンション投資
年収900万円の方には、都心部の中古ワンルームマンション投資が特におすすめです。
東京都心の中古ワンルームマンションは、駅近などの好立地であれば空室リスクが低く、安定した家賃収入が期待できます。
価格帯も2,500万円〜4,000万円程度で、年収900万円の方が無理なく購入できる範囲です。
中古物件のメリットは、新築プレミアムがなく割安であること、過去の稼働実績や管理状況が確認できること、リフォームやリノベーションで付加価値をつけられることなどです。
特に築15年〜25年程度の物件は、価格が安定しており、適切にメンテナンスされていれば今後も長期間賃貸できる可能性が高いです。
複数物件による分散投資
資産が増えてきたら、複数物件に分散投資することでリスクを軽減できます。
1物件だけでは、空室が発生すると収入がゼロになってしまいますが、複数物件を所有していれば、1物件が空室になっても他の物件からの収入でカバーできます。
年収900万円の方であれば、まず1物件目を購入し、数年後に2物件目、さらに3物件目と増やしていくことで、月々数十万円の家賃収入を構築することも可能です。
ただし、物件の管理負担も増えるため、信頼できる管理会社に委託することや、エリアを分散してリスクヘッジすることも重要です。
不動産投資で注意すべきポイント
不動産投資にはリスクもあるため、慎重な物件選びと資金計画が必要です。
まず、利回りだけで判断せず、立地や建物の状態、将来性などを総合的に評価することが重要です。
利回りが高くても、地方の人口減少エリアでは将来的に空室リスクが高まる可能性があります。
また、購入時の諸費用や、将来的な修繕費用、空室期間の収入減などを考慮した資金計画を立てる必要があります。
ローン返済額と家賃収入のバランスを考え、手残りがプラスになる物件を選ぶことが基本です。
さらに、不動産投資会社の選定も重要です。
強引な営業や過度に高額な物件を勧める業者には注意し、実績があり信頼できる会社と取引することが成功への近道です。
まとめ
年収900万円の手取り額は約650万円〜680万円程度で、税金や社会保険料で約250万円前後が控除されます。
年収900万円は日本の給与所得者の上位約8〜9%程度に入る高収入層ですが、税負担が重く、生活費や教育費などを考慮すると、思ったほど余裕がないと感じる方も少なくありません。
特に都市部に住み、子どもの教育費がかかる家庭では、生活が苦しいと感じることもあります。
年収900万円の難易度は高く、大企業の管理職や専門職など、限られた職種や役職の方が到達する水準です。
40代で年収900万円以上を得ている割合は約7〜8%程度で、長年のキャリアや専門性の蓄積が必要です。
年収900万円と1000万円では、手取り額は1000万円の方が多いですが、税負担の増加も考慮する必要があります。
なお、2024年10月から児童手当の所得制限は撤廃されているため、以前のような支給制限はありません。
年収900万円の方は、ふるさと納税、iDeCo、不動産投資などの節税対策を活用することで、手取りを実質的に増やすことができます。
特に不動産投資は、適切に運用すれば節税効果と安定収入の両方が期待できます。
ただし、節税効果は税の繰延べとなるケースもあるため、税引後のキャッシュフローを重視した物件選びが重要です。
年収900万円という属性を活かして有利な融資条件で投資を始められます。都心部の中古ワンルームマンションなど、リスクを抑えた物件選びを行えば、長期的な資産形成に大きく貢献します。
計画的な資産形成を行えば、年収900万円から早期リタイアやFIREも視野に入ります。
NISA制度を活用した投資と不動産投資を組み合わせることで、20年程度で1億円規模の資産を築くことも可能です。
手取り額を正確に把握し、無駄な支出を減らし、効率的な投資を継続することが、豊かな将来への第一歩となります。
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