不動産投資はインフレに強く、経営がうまくいけば安定した不労所得が手に入ります。一方で、空室や家賃下落のリスクがあり、計画や自己資金が不十分な場合は大きな損失が生じるでしょう。不動産投資初心者が知っておくべき基礎知識や注意点を解説します。

【目次】

代表的な不動産投資の種類

不動産投資で得られる利益

不動産投資のメリット

リスクと注意点

不動産投資の始め方

必要な自己資金はどれくらい?

初心者が失敗しないために心がけたいこと

不動産投資は勉強と資金計画から始めよう

代表的な不動産投資の種類

自己資金やローンで投資用物件を購入し、毎月の賃貸収入を得る『不動産投資』は、会社員でも行える投資手段として注目されています。投資対象には大きく居住物件に焦点を当てると『区分マンション』と『一棟マンション・アパート』の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

詳細に区分マンションと一棟物件どちらが良いかは下記記事でも詳しく解説をしております。

参考>>不動産投資をはじめる方へ!区分マンションか一棟マンション、どっちがおすすめなの?

区分マンション投資

区分マンション投資は、マンションを一室単位で購入し、貸し出すことで収入を得る方法です。部屋のタイプは大きく単身用とファミリー用に分かれます。

区分マンション投資のメリットは、多くの自己資金を必要としない点です。金融機関でローンを組めば、自己資金が少なくてもスタートできます。一棟物件に比べて物件管理がラクで、会社員は本業との両立がしやすいでしょう。

ただし、一室のみの所有は収益が0か100かのいずれかになるのがデメリットです。入居者がいれば100%ですが、入居者がいなければ1円も入ってきません。

一棟マンション・アパート投資

一棟マンション・アパート投資とは、建物を丸ごと購入し、各部屋を貸し出すことで家賃収入を得る方法です。多くの元手が必要な分、失敗したときの損失は大きいですが、利回りは区分所有よりも高く、うまくいけば大きな収益が見込めます。

例えば30室のうち3室が空室でも、ほかの27室から家賃収入が得られるため、収入の変動リスクは区分マンションよりも少ないといえるでしょう。

複数のオーナーがいる区分マンションに比べ、運営の自由度が高いのもメリットです。共用部分の修繕やリフォームがしやすく、付加価値のある魅力的な物件を実現できます。

不動産投資で得られる利益

不動産投資で得られる利益は、賃貸収入だけではありません。タイミングを見計らって物件を売却すれば、まとまった資金が手に入ります。初心者は運用益と売却益のどちらを狙うべきなのでしょうか?

運用で得られる「インカムゲイン」

保有する資産で得られる『運用益』は、インカムゲインと呼ばれます。不動産投資の場合は『賃貸収入』、株・投資信託の場合は『配当金』、定期預金の場合は『利息』がインカムゲインにあたります。

インカムゲインのメリットは、安定した収入を長く得られる点です。1回ごとの収益はわずかですが、収入が大きく下がることはほとんどありません。

入居者がいる限り、毎月一定の家賃収入が得られる不動産経営は、将来に向けた収入確保に最適な投資方法といえるでしょう。

売買で得られる「キャピタルゲイン」

キャピタルゲインとは、保有する資産の売買で得られる『売買益』です。価格が流動する土地・建物・株式・貴金属などを安値で購入し、価値が高くなったタイミングで売却すれば『値上がり益』が得られます。

キャピタルゲインの最大のメリットは、一度に大きな収益が手に入ることです。場合によっては資産が倍になるようなケースもあり、細かく稼ぐインカムゲインよりも魅力的に映るかもしれません。

ただ、常に高い金額で売れるとは限らず、失敗すれば大きな損失(キャピタルロス)が生じます。不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンといわれますが、キャピタルゲインはハイリスク・ハイリターンの部類に入るといってよいでしょう。

初心者はどちらを狙うべき?

不動産投資初心者は、どちらのゲイン(利益)を狙うべきなのでしょうか?大きな利益を追求するのであれば、キャピタルゲインが有利ですが、将来的に価値が上がる物件を見極めるのは至難の業です。相当な知識と経験がなければ、利益を出すのは難しいでしょう。

初心者におすすめなのは、賃貸経営で一定の収入を得るインカムゲインです。賃貸ニーズのある物件を探し、空室リスクを回避する対策を取っていれば、初心者でも利益を上げることは十分可能です。

区分マンション投資から始め、少しずつ物件を増やしていけば、インカムゲインはどんどん大きくなっていくでしょう。投資に慣れてきたら、インカムゲインとキャピタルゲインの両立も検討できます。

不動産投資のメリット

不動産投資には一定のリスクがありますが、上手に運用すれば安定収入が確保できるほか、インフレ対策や節税対策にもなります。しっかりとした管理会社をパートナーに選べば、管理の手間もかからず、会社員でも順調に資産形成ができるでしょう。

長期間安定収入が得られる

自らがマンションのオーナーとなる不動産経営には、長期間安定収入が得られるという大きなメリットがあります。

投資商品には、株式・FX・投資信託・先物取引・外貨預金などさまざまなものがありますが、不動産投資は比較的安定した運用ができる『ミドルリスク・ミドルリターン』の投資方法です。

不動産価格の値動きは、株式や為替の値動きに比べて緩やかで、急に暴落して大損をする可能性は低いでしょう。

インフレに強い

『インフレーション(インフレ)』とは、一定期間にわたり物価水準が上昇する現象です。物価が上がると現金の価値が目減りし、同じ価格でも購入できる商品が少なくなります。

銀行預金や定期預金、タンス預金はインフレに弱い資産の代表格です。インフレになれば預金の利息も上がりますが、全体的な現金の価値は下がり、結果的に損をしてしまいます。

一方、現物資産の不動産は物価の上昇とともに価値が上昇するため、『インフレ対策』の一環として不動産投資をする人も少なくありません。

節税効果を期待できる

会社員が不動産経営をする場合、不動産所得と給与所得を確定申告し、納税する必要があります。

不動産投資が赤字の場合、給与所得から不動産所得の赤字分が差し引ける『損益通算』が適用されます。結果、課税対象金額が低くなり、所得税の節税につながるのです。

また固定資産は、経年により財産的価値が下がります。想定される耐用年数で分割して費用計上することを『減価償却』と呼びます。

実際は費用が発生しませんが、確定申告では不動産投資で上げた利益から減価償却費を差し引けるため、大きな節税効果が見込めます。

参考>>不動産投資で節税できる?税金対策の嘘と本当を解説

運用の手間が少ない

株式投資やFXは基本的にチャートに張り付いて値動きをチェックしなければならず、会社員が副業として簡単にできるものではありません。勉強する時間が取れない場合は運任せの取引になり、大きな損失が出る可能性もあるでしょう。

不動産投資の場合、物件を購入するまでは大変ですが、そこをクリアすれば毎月自動的に賃貸収入が得られます。入居者探しや物件の管理はすべて管理会社に任せられるため、ほかの投資手段に比べると圧倒的に手間がかからないのです。

リスクと注意点

投資と名の付くものには、多かれ少なかれ『リスク』があります。収益を上げるには、リスクやデメリットを理解し、それを回避する対策を立てることが肝心です。不動産投資における主なリスクと注意点を紹介します。

空室や家賃滞納による収入減少

不動産経営の生命線は、入居者からの家賃です。1室のみの区分所有の場合、入居者がいなければ、毎月の収入は0円です。

一棟所有は空室リスクが分散できるメリットがありますが、空室率が高くなると区分所有とは比較にならない損失が出るでしょう。収入の有無にかかわらず、ローン返済や管理費の支払いは毎月必要なため、人によっては預貯金を取り崩すことになります。

入居者が賃料を払わない『滞納リスク』にも注意が必要です。帳簿上では『未収金』の扱いとなり、お金を回収していなくても税金が発生します。常習化させないような仕組みをあらかじめ作っておく必要があるでしょう。

築年数が経つほど家賃は下がる

物件は新築時がもっとも家賃が高く、そこから年数が経つごとに徐々に下がっていくのが一般的です。家賃の下落により収益が悪化すると月々のローン返済が苦しくなるため、いかに家賃下落を防ぐかが課題となるでしょう。

家賃下落が起こる大きな原因は、『空室率の上昇』です。空室が増えると収益が出ないため、オーナーは家賃を下げざるを得なくなるのです。そのほか、『建物の劣化』や『立地条件の悪化』なども家賃下落につながります。

物件選びでは、立地がよく、かつ競合が少ないエリアを探すことが重要です。物件購入後は、信頼できる管理会社と連携し、家賃下落リスク対策を取りましょう。

ランニングコスト増加による収益悪化

不動産経営では、さまざまなランニングコストがかかります。空室率を下げるには、建物を常にきれいな状態に保ち、設備を充実させる必要がありますが、築古で経年劣化が進んでいるほどリフォーム代や修繕費がかさみます。

価格が安く利回りの高い中古物件を購入しても、莫大な修繕費用がかかれば収支はマイナスになってしまうでしょう。とりわけ一棟マンションの場合、修繕は大規模なものになります。

区分所有マンションであれば『修繕積立金』を各自が積み立て、大規模な修繕費用に備えるのが一般的です。一棟マンションの場合、修繕費はすべて自分が負うため、物件購入時から将来的な修繕にかかる費用をシミュレーションしておくのが賢明です。

不動産投資の始め方

投資がうまくいかない人には、『知識不足』『目標や計画が曖昧』『ダメ物件を選んでいる』『運営に手が回らない』などの共通点があります。手順に沿って、一つずつ丁寧に進めていけば、投資初心者でも失敗は回避できます。

不動産投資の流れとポイントをおさえましょう。

不動産投資について勉強する

初心者が最初にすべきことは、不動産投資についての勉強と情報収集です。

不動産投資は『オーナーになって家賃収入を得る』『物件を安く買って高く売る』というシンプルな投資ですが、利回りやキャッシュフロー、資金計画などに関する最低限の知識がなければ、収益を上げることは難しいのが実情です。

まずは書籍やインターネットで勉強し、知識の土台を作りましょう。その上でセミナーやコミュニティに参加すれば、より深い知識や有益な情報が得られます。

投資金額と目標を決める

次に『資金計画(事業計画)』を立てましょう。不動産投資の利益はインカムゲインとキャピタルゲインの二つがあります。いつまでにいくら稼ぐといった目標を立てることで、自分がどのような投資手法を選べばよいのかが明確になります。

自己資金を整理し、どのくらいの物件に投資できるかも予測しておきましょう。不動産投資とほかの投資との大きな違いは、物件を担保に金融機関から大きな融資を受けられる点です。

自己資金のみで経営をするか、借入をして大きな物件を所有するかによって、将来的に得られる収益は大きく変わります。

物件探し・購入

目標を設定した後は、ネットや情報誌などで投資物件をリサーチしましょう。エリアごとの地価変動は、国土交通省の『地価公示』や、都道府県の『地価調査』で確認ができます。

紙面や画面上だけでは、建物の状態や周辺環境の詳細は把握できないため、実際に現地に足を運び調査を行いましょう。不動産業者に相談し、物件についてのアドバイスをもらうことも重要です。

購入にローンを利用する場合は『事業計画書』を金融機関に提出する場合もあります。物件選びの後、計画書を見直して最終調整を行いましょう。

売り主と『不動産売買契約書』を交わすまでには細かい手続きが多いため、一連の流れをしっかりと確認しておく必要があります。

参考>>不動産投資の物件探しのコツ

物件の運用

物件の引き渡し後は、建物の修繕・部屋のリフォーム・クリーニング・入居者の募集などの『運営業務』を行います。運営・管理方法は『オーナーが自主管理する方法』と『管理会社に委託する方法』の2パターンがあります。

オーナーが自分で管理するとなると、ほぼ24時間365日体制です。トラブル発生時はスピーディな対応が求められるため、本業がほかにある人は管理会社への委託を検討しましょう。

毎月一定の『管理手数料』がかかりますが、会社員でも効率よく運用ができます。

必要な自己資金はどれくらい?

不動産は自己資金がなくても始められるという噂を耳にしたことはありませんか?不動産経営を始めるにあたり、自己資金はいくらあればよいのでしょうか。資金なしで始めるリスクについても確認しておきましょう。

投資を始めるために必要な資金の内訳

不動産投資でかかる費用は、物件の購入費用だけではありません。以下は、投資を始めるために必要な諸費用の種類です。

物件仲介手数料

不動産の取得時にかかる税金(印紙税・登録免許税・不動産取得税)

各種保険料(火災保険料・地震保険料)

司法書士報酬(司法書士が手続きを代行する場合)

融資関連手数料(金融機関から融資を受ける場合)

固定資産税

このうち、費用が高くなるのが『物件仲介手数料』です。売り主と買い主が直接取引する場合は発生しませんが、不動産会社が仲介する場合は物件価格に応じた手数料がかかります。

料率の目安は以下の通りで、『+』で表記されている部分は、速算法という簡易法で計算した場合の調整額です。

売買金額(税抜)が200万円以下: 物件価格(税抜)×5%+消費税

売買金額(税抜)が200万円超400万円以下の部分:物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税

売買金額(税抜)が400万円超の部分:物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

参考:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額|国土交通省

目安は物件価格の30%

金融機関からの融資(借入)に対し、自分で用意するお金は『自己資金』と呼ばれます。物件や投資手法によっても異なりますが、自己資金の目安は、物件価格の30%前後を目安としましょう。

ここでいう自己資金には『頭金』『手付金』『諸費用』が含まれます。

頭金は、ローンで物件を購入する際、最初に用意する現金を指します。物件価格の一部を頭金として支払い、残額を毎月返済していくことになります。

手付金は、売買契約の成立を示す証拠金です。買い主都合で解約となった場合は手付金が売り手に渡りますが、問題なく契約成立した場合はそのまま物件の購入費用として充当されます。

参考>>不動産投資はいくらからできる?必要資金や頭金についても解説

自己資金なしでも可能だがリスクはある

不動産投資は、物件を担保にフルローンが組めるのが特徴です。売買契約締結時に支払う『手付金』や『諸経費の一部』は、ローンに含まれないため、最低限の自己資金は用意しておきましょう。

実際のところ、融資上限額は物件価格の90%以内に設定している金融機関が多いといわれます。

不動産ローンの組み方には、フルローンのほかに『オーバーローン』があります。物件購入時に金融機関から物件価格以上の融資を受けるもので、自己資金がない人でも投資が可能になるのがメリットです。

ただし、過剰な借入をするのには大きなリスクがあります。物件の価値以上の融資を受けているため、万が一経営不振に陥った場合は物件を手放してもローンの残額を完済できません。

現在のところ、オーバーローンに対応できる大手銀行は少ないですが、一部のネット銀行では、頭金や諸費用などの『物件購入費以外』をローンに含められるケースがあります。

初心者が失敗しないために心がけたいこと

不動産投資の成功の要といえるのが『キャッシュフロー』と『資金計画』です。知識の浅い投資初心者ほど綿密に計画を立て、シミュレーションを繰り返す必要があります。

キャッシュフローを重視する

不動産投資では『キャッシュフローが出るかどうか』が重要視されます。

物件を選ぶ際、利回りと価格を比較するだけでは、どれだけの収益が出るのかは推測できません。物件ごとのキャッシュフローをできるだけ詳細にシミュレーションするのがポイントです。

キャッシュフロー=家賃収入−ローン返済額−経費・管理費

キャッシュフローの意味は、広義では『お金の流れ』ですが、不動産投資においては『一定期間において手元に残ったお金』を指す場合がほとんどです。収入をいかに最大化し、支出を最小に抑えるかが成功の鍵といえるでしょう。

キャッシュフローの目安を知る段階では、諸経費を30%前後と見積もって計算すると安心です。

無理のない資金計画を立てる

不動産投資は自己資金が少なくても始められる分、無理のない資金計画を立てる必要があります。計画がおろそかだと、物件の購入前や購入後に予期せぬ事態が発生して頓挫する可能性が高いでしょう。

資金計画を立てる際は、物件の価格はもちろん、それ以外にかかる経費や管理費、ランニングコストもすべて試算します。フルローンが通る可能性は少ないとして、どれくらいの自己資金が投入できるかを計算してみましょう。

融資してくれる金融機関が見つかった場合、借入額や期間をすぐに決定せずに、月々の返済額を綿密にシミュレーションする必要があります。コストを引いた上でプラスになるように調節しなければ、返済は苦しくなるでしょう。

不動産投資は勉強と資金計画から始めよう

不動産投資で失敗してしまう人のパターンはいくつかありますが、知識不足や計画不足が大きく関係しているのが実情です。知識の浅い初心者の場合、不動産会社の営業マンの言葉を鵜呑みにして、ダメ物件を掴んでしまうケースがあります。

十分な資金なしに新築ワンルームを購入したり、家族に内緒で多額なローンを組んだりして、多難な前途を自ら作ってしまう人も少なくありません。

資産運用や投資は早く始めれば始めるほどよいといわれますが、不動産投資の場合は、しっかりとしたリサーチと自己資金の準備が必要です。

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