INVASEより不動産投資市場の最新マーケット動向をお届けします。
金利動向やREIT市場、インフレ動向を踏まえた不動産投資市場分析や、INVASEの注目物件・注目エリア、不動産のプロからのアドバイスもご紹介。
*お時間のない方へ、INVASEでは仲介物件の購入に関するご相談を承ります。その他にもローンに関するご相談や、いま不動産投資をすべきかどうか、どのような立地・条件が良いかなどご相談がございましたら無料カウンセリングサービス「Journey(ジャーニー)」をご利用ください。
1. 金融・不動産市況サマリー
※1:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)総合
※2:2020年基準消費者物価指数(東京都区部)家賃
※3:「マンション賃料インデックス(アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所)」を元にMFS作成(東京23区、シングルタイプ 18㎡以上30㎡未満、2009.Q1=100)
※4:住宅特化型REITの時価総額上位3銘柄(アドバンス・レジデンス投資法人、日本アコモデーションファンド投資法人及びコンフォリア・レジデンシャル投資法人)の分配金利回り平均
※5:10年国債利回りとREIT利回りの差
トピック
先月の当マンスリーレポートで、日銀の金融緩和政策修正で長期金利(10年国債利回り)が上昇傾向であるものの不動産マーケットへの悪影響は限定的との見方を解説しました。そもそも現在の金利上昇の発端はアフターコロナで世界的に発生したインフレ(物価上昇)であり、インフレは不動産で言えば「賃料」と「不動産価格」の上昇に繋がります。
昨今の新築マンションの高騰など不動産価格が上昇傾向であることは周知の事実ですが、その一方で借地借家法という法規制の影響から賃料は上がりにくい、というのが日本の不動産マーケットでの定説でした。しかし、足元ではマンション賃料が上昇トレンドに入りつつあるようです。
9月21日に公表された最新のマンション賃料インデックス(※)によると、東京23区のマンション賃料はシングルタイプ(18㎡以上30㎡未満)とコンパクトタイプ(30㎡以上60㎡未満)が最高値を更新しました。これまではファミリータイプの賃料上昇が顕著でしたが、同インデックスの共同開発者である㈱三井住友銀トラスト基礎研究所は「テレワークの普及で他のタイプに比べて需要の回復が遅れていたシングルも、東京23区の単身世帯の流入などを背景にコロナ禍前の賃料水準を上回っている」と分析しており、いよいよ単身者向けなども賃料の上昇傾向が強まっている可能性があります。
今回発表されたマンション賃料インデックスについては改めて解説レポートを公開予定です。前回レポートと合わせ、不動産投資分析にご活用ください。
※マンション賃料インデックス:アットホーム株式会社、株式会社三井住友トラスト基礎研究所
2. 各種指標の動向
賃料・インフレ
東京都区部のインフレ率は18ヶ月連続で2%を超える状況が続いています。インフレ率は対前年比の指標であるため、インフトレンドが始まった2022年の値との比較になるものの、それでもなお3%前後と高水準と力強いインフレ基調となっています。
キャップレート(表面利回り)
キャップレートとは投資家が不動産に期待する利回り(収益性)です。賃料が変わらない場合、キャップレートの低下は不動産価格の上昇を、キャップレートの上昇は不動産価格の下落を意味します。
海外金利の上昇やインフレ、日銀の金融政策修正の影響で日本の長期金利は上昇傾向が続いていますが、本来金利上昇が逆風となるREITの利回りはわずかな上昇に留まっています。長期金利の上昇ペースに比べてREIT利回りの上昇ペースが鈍い(REITがさほど売り込まれていない)ことから、結果的に不動産市場に対するリスクプレミアムは低下しています。
Pスコア・適正利回り
PスコアとはINVASEがAIを駆使して独自開発した、区分マンションの「賃料の安定性」を評価する指標です。Pスコアは0.00〜5.00の間で示され、Pスコアが高いほど賃貸需要や賃料の安定性が高いことを意味します。不動産市場の動向を踏まえ毎月アップデートされるPスコアシミュレーターが指し示す、Pスコアに対応した適正利回りをグラフ化したものが以下です。
Pスコアという当社の統計的評価モデルにおいても東京23区の利回りは低下が続いていることが見て取れ、金利上昇のさなかであっても不動産市場が堅調であることが窺えます。
3. 最新の注目物件
ブリリア有明スカイタワー
ー「ブリリアマーレ有明」と共にマーケットメイクをー
今回ご紹介させていただく「Brillia 有明SkyTower」は2011年3月竣工、築13年目を迎える1,089戸の大規模タワーマンションです。
以前ご紹介させていただいた、隣に位置する2008年12月竣工の「Brillia Mare有明TOWER&GARDEN」と共にエリアのマーケットメイクを行っている、フラッグシップマンションです。
「Brillia Mare有明TOWER&GARDEN」が「非日常を日常に」をクレドとしていますが、ブリリア有明スカイ・タワーは日常自体の運営安定性を軸にデザインされた、安定した資産性が見られる物件です。
コンシェルジュサービス・プール・ジム・キッズルーム等のこの規模ならではの共用設備はもちろん、33Fにはドリンク・食事の提供もあるオールデイラウンジ、さらに屋上部分にはスカイテラス等眺望が楽しめる共用設備も備えています。
また、Brillia 有明SkyTowerーはマンション内1Fにスーパーマーケット「文化堂」があり、マンション単体としての利便性も安定しています。
エリア的な要素としては、すぐ裏手にある有明西学園は2018年に開校した小学校・中学校での一貫教育校であり、その新しい設備と相まって高い人気を誇っているのみならず、住友不動産が国家戦略特区として大規模タワーマンション「シティタワー東京ベイ」と共に開発を行った大規模ショッピングモール「有明ガーデン」がゲームチェンジャーとして大きく街を動かしています。
※出典
Brillia 有明SkyTower 公式:https://www.ariakesky.com/
Brillia Mare有明TOWER&GARDEN 公式:https://bma33.com/
※現在売却中の物件がございますので、ご要望の方はお気軽に無料カウンセリングサービスJourney(ジャーニー)にてお問い合わせください。
4. 注目地域
今月の注目地域:勝どき〜豊洲〜有明
ー賃貸ニーズを分析し「街が強くなる」かを考えるー
※左から有明・晴海・勝どきエリア(豊洲は手前)
※出典
東京都市整備局webサイト:https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/tk_seiri_02-3.htm
やはり昨今の話題は「晴海フラッグ」の抽選倍率かとは思いますが、やはり当該マンションが周辺に与える影響は注視すべきです。
通常ですとリセール価格を注視することが一般的な切り口かとは思いますが、土地(街)・建物・管理の三要素を賃料をベンチマークに分析するコンドミニアム・アセットマネジメントの考え方からは、やはり物件賃料の分析が最重要項目となります。
今回は「勝どき」「豊洲」「有明」の3エリアの賃貸物件の概要を軸にお話をさせていただけたらと考えています。
・「勝どき・晴海」・・・タワーマンション一棟全体が賃貸のみ、といった物件が多い
・「豊洲」・・・分譲ファミリータイプマンションが価格をつくっている
・「有明」・・・分譲ファミリータイプマンションが価格をつくっているが、賃料のバランスから賃料価格が少しずつ伸びている
※分析の元となる個別案件の比較・記載は割愛をさせて頂きます。
昨今の金融緩和の結果、キャッシュリッチ・与信枠が強い層の方が投資対象を探す中で、ストレッチ可能性が高い、いわゆる「まだら模様」でまだ期待ができるエリアを探す傾向が高まっています。
その様なマーケット状況を勘案すると、それぞれのエリアで、以下のポイントを丁寧に分析する必要があります。
「勝どき・晴海」・・・晴海フラッグの賃貸客付け状況に要注意。また、一棟賃貸タワーマンション等、大規模賃貸物件の空室状況の動向には注意が必要。
「豊洲」・・・晴海フラッグの賃貸客付け状況は一定の影響を受ける可能性があり要注意。現状物件価格と賃料について、築15年前後の物件の価格は決して割安感はない。
「有明」・・・コロナ禍状況下のこの3年〜4年で、家賃が50㎡前後のものは月1万円〜3万円程度は上昇している。まだ賃料を上げきれておらず、廉価な物件が多くあるため、ムラなく底上げがされていくのかが要注意。
これらのポイントを軸に分析をした場合、「物件価格をエリアの想定表面利回りから割り戻して、投資対象として成り立ちうるのか」、その中で勝どきで購入するのか、豊洲エリアで検討するのか、または有明から攻めるのか・・・ご自身の投資スタイル(目的)から逆算して丁寧にご検討ください。
5. INVASE事業責任者・渕ノ上からのメッセージ
ー主観の「罠」ー
不動産投資における大きなリスク要因の一つが「主観」です。
「タワーマンションだから」「湾岸だから」「下町だから」「〇〇区だから」「金利が上がると思うから」「不動産価格が上がっているから」・・・このような枠組みからの決定は非常にシンプルかつ、ストレスが無いのが実際です。
不動産については、自己居住用・非居住用(投資用含む)のいずれでも、どうしても主観で見てしまうのが実際です。「住めば都」というフレーズがあるように、どうしても自分の知っている場所を好む傾向は誰しも持っています。
一つ一つの主観を排除して物件を選ぶことができるかが非常に重要なポイントとなりますが、なかなかこれが難しいのが実際です。
ここで、コンドミニアム・アセットマネジメントの考えにおける、不動産価格においては、自己居住用・投資用を問わず、賃料がベンチマークというスタンスが活きてきます。
30年以上前に発生した不動産バブルの反省を活かし、自己居住用の物件が物件価格を引き上げる都心部のマーケットにおいては「買ったほうが得か」「借りたほうが得か」の判断がで動くようになっており、マーケットもその数値を見て動いています。
賃料が先行指標なのか、遅行指標なのかは個別案件で分析を行い、判断を行う必要がありますが、賃料をモニタリングしていれば大きなミスが生じにくいのが実際です。
誰しも自分で見えている情報を軸に分析を進めるのですが、その「見方」における主観の排除は決して容易ではありません。しかし、主観の排除は必要不可欠な作業であるため、一旦自身の状況は脇に置き、エリア・物件仕様毎に、賃料のファクトの分析・底に対する仮説の設定を軸に今後の戦略を組み立ててください。
>>不動産のプロ・渕ノ上 弘和のプロフィールはこちらから:note
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