投資用物件の情報には、利回りという一般的な住宅情報には掲載されていない数値が並んでいます。数値が高いほど利益が得られる物件ということになりますが、高利回りだけを理由に物件を選ぶのは危険です。

不動産投資の利回りにはいくつかの種類がありますが、今回は、もっとも重要とされるNOI利回りについて解説します。物件の収益性を見極めるために、ぜひNOI利回りを覚えて活用してください。

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【目次】

NOI利回りとは

不動産投資における利回りの種類

NOI利回りの目安

NOI利回りを改善するには

注意すべき高利回り物件とは

NOI利回りで投資先物件の実力を判断しよう

NOI利回りとは

不動産投資で得られる純利益は、ネット・オペレーティング・インカム(Net Operating Income)の頭文字をとってNOIと呼ばれます。年間の家賃収入から経費を差し引いたものがNOI(純利益)です。「NOI利回とは」、投資額に対して得られるNOIを割合で示したもので、その物件の本当の収益性を表します。不動産投資で参考にする利回りにはいくつかの種類がありますが、NOI利回りは特に注視すべき数値といえるでしょう。

不動産投資における利回りの種類

不動産投資では以下にあげる利回りを参考にすることがあります。それぞれ計算方法が違うため、同じ物件でも状況によって異なる結果になることに注意してください。なお、下にいくほどシビアな結果となり、現実的な収益性が判断できます。

・想定利回り

・表面利回り(グロス利回り)

・NOI利回り(実質利回り、ネット利回り)

・返済後利回り(ROI)

それぞれの概要と計算方法を解説します。

想定利回り

想定利回りとは、主に入居者が決まる前の新築アパートやマンションでの満室稼働を想定した利回りで、次の計算式で算出します。

想定利回り(%)=満室時の年間家賃収入÷物件価格×100

次の例で計算すると、想定利回りは15%となります。

・家賃:10万円(年間120万円)

・戸数:10戸

・物件価格:8,000万円

想定利回り:120万円×10戸÷8,000万円×100=15%

想定利回りの計算に用いる家賃は、あくまで周辺相場を参考にした想定値です。また、実際の運用では必ずしも満室になるとは限りません。想定利回りだけで購入を決めることのないよう注意してください。

表面利回り(グロス利回り)

表面利回りとは、実際の家賃収入から算出する利回りでグロス利回りとも呼ばれます。計算式は次のとおりです。

表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100

たとえば、所有する物件が区分マンション1室の場合、次のように計算します。

・家賃:10万円(年間120万円)

・戸数:1戸

・物件価格:3,000万円

表面利回り:120万円×1戸÷3,000万円×100=4%

表面利回りは稼働中の家賃で計算するため、想定利回りよりも現実的な数値が確認できます。ただし、一棟アパートなどでは空室分の家賃も含み計算されるので、実態よりも高利回りになることがあります。想定利回りと同じく、購入時には注意が必要です。

NOI利回り(実質利回り、ネット利回り)

NOI利回りは家賃収入から経費を差し引いて算出する利回りで、実質利回りやネット利回りと同じ意味を持ちます。NOI利回りの計算方法は、次のとおりです。

NOI利回り(%)={満室時の年間家賃収入×(1-空室率)-年間諸経費}÷(物件価格+購入時諸経費)×100

年間諸経費には次のような費用が含まれます。確定申告時に経費計上する項目と似ていますが、支出を伴わない減価償却費は含まれません。また、資産価値を高めるための修繕費や、借入金の支払い利息も除外します。

・税金(固定資産税、都市計画税)

・管理費(物件管理や家賃回収などの委託費を含む)

・保険料(火災保険、地震保険など)

・退去時の原状回復費用

・入居者募集費用(宣伝広告費、仲介手数料など)

購入時諸経費に含まれるのは、次の費用です。

・不動産取得税

・仲介手数料

・登記費用

以下の計算例では、NOI利回りは約9.3%という結果になりました。

・家賃:10万円

・戸数:10戸(うち2戸が空室)

・満室時の年間家賃収入:1,200万円

・年間諸経費:180万円

・物件価格:8,000万円

・購入時諸経費:400万円

NOI利回り:{1,200万円×(1-0.2)-180万円}÷(8,000万円+400万円)×100=9.28%

計算には実際の数値を用いるため、家賃や経費が確定しない新築物件ではNOI利回りを正確に求めることができません。購入前の中古物件については履歴からある程度の予測は立てられますが、正確に計算できるのは運用が始まってからになります。想定利回りや表面利回りと比較すると、NOI利回りの算出には手間がかかりますが、収支の実態を把握するために欠かせない指標です。

返済後利回り(ROI)

返済後利回りとは、実質利回りにローン返済額を加味したもので、ROI(ロイまたはアール・オー・アイ)と表現されることもあります。ちなみに、ROIはリターン・オン・インベストメント(Return On Investment)の略称で、日本語では投資収益率を意味します。返済後利回りの計算方法は次のとおりです。

返済後利回り(%)={満室時の年間家賃収入×(1-空室率)-(年間諸経費+年間返済額)}÷(物件価格+購入時諸経費)×100

次の例で計算してみましょう。

・家賃:10万円

・戸数:10戸(うち2戸が空室)

・諸経費:15万円

・ローン返済額:30万円

・物件価格:8,000万円

・購入時諸経費:400万円

計算式にあてはめるため整理します。

・満室時の年間家賃収入:1,200万円

・空室率:0.2

・年間諸経費:180万円

・年間返済額:360万円

返済後利回り:{1,200万円×(1-0.2)-(180万円+360万円)}÷(8,000万円+400万円)×100=5%

NOI利回りの目安

「NOI利回りの目安」は、土地代込みの物件では4~6%、土地代を含まない場合は7~8%ほどといわれています。

すでに説明したとおり、NOI利回りは実際の収支から算出します。賃料が同じ物件なら同じ結果になるというわけではありません。物件を安く購入できればNOI利回りは高くなりますし、経費がかかればNOI利回りは低くなります。物件の種類や構造、立地、購入のタイミングなどによっても異なるため一概にはいえませんが、東京都内よりも地方都市のほうがNOI利回りは高めの傾向です。

ただし、地方へ投資したほうが儲かると考えるのは早合点かもしれません。たしかに都内よりも地方のほうが物件価格は低めですが、家賃相場も低いため、年間家賃収入は少なくなります。また、人口が少ないエリアでは空室率が高くなる可能性があります。高利回りには高いリスクが隠されていることを意識する必要があるでしょう。

NOI利回りを改善するには

運用中のNOI利回りは、家賃収入を増やして経費を減らせば改善できます。とはいえ、翌月からいきなり家賃を値上げするようなことはできません。そこで、築年数が経過しても家賃をなるべく下げないための工夫が求められます。経費については、物件の維持管理にかかる費用を減らすのはおすすめできません。建物の寿命を早めてしまうことや、入居者の不満につながり退居(空室)が発生する可能性があるためです。ここからは、NOI利回りを改善するためにどのような工夫をすればよいのか、具体的に解説します。

家賃収入を増やす

一般的には築年数に応じて家賃相場は下がっていきます。

家賃の下落を避けるには、物件の価値を高める工夫や退去者を減らす工夫が必要です。実際に人気の物件では家賃の大幅な下落はみられず、築年数が経っても一定の家賃をキープしています。

たとえば、仕事で不在がちな人のために宅配ボックスを設置する、一人暮らしの女性のためにセキュリティを強化するといった工夫により、入居希望者が増える可能性があります。

また、現在の入居者の不満や不便を解消し、退去を減らす効果も期待できるでしょう。入居者全員から強いニーズがある設備を導入する場合などは、若干の家賃引上げにも承諾が得られるかもしれません。

市場のニーズを調べるには、近隣の競合物件のリサーチや、入居者・退去者へのアンケートなどが有効です。また、その道のプロである不動産投資会社に相談するのもよいでしょう。

立地の特徴や賃貸市場のトレンドなどを把握しているため、効果的なプランを提案してくれるはずです。

経費を減らす

管理委託手数料に関しては、複数の管理会社に相談して見積もりをとってみてください。手数料の相場は家賃の5〜8%ですが、それよりも安く引き受けてくれる会社もあります。ただし、ずさんな管理では後にトラブルを招くおそれがあります。管理の内容や範囲を確認して、信頼できる管理会社を選ぶことが大切です。

月々の保険料やリフォーム費用についても同様に、複数社を比較するようにしましょう。

インターネット上の比較サイトを利用すれば、手間をかけずに簡易的な相見積もりがとれます。良さそうな保険商品やリフォーム会社を絞り込んで担当者に相談するようにすれば、時間や手間も省けるのでおすすめです。

注意すべき高利回り物件とは

物件情報には、想定利回りまたは表面利回りが用いられています。稼働中の物件ならNOI利回りもわかるはずでは…と疑問に感じませんか。NOI利回りには経費が加味されるほか、改善の工夫でも触れたようにオーナーの考え方も反映されます。まったく同じ物件でも、運用次第で数値が変わってしまうのがNOI利回りです。

そこで、簡易的に物件の収益性を判断する方法として、物件情報には想定利回りや表面利回りが掲載されます。いずれも家賃収入と物件価格のみで算出するため、高めの結果になるのが通常です。ただし、並外れた高利回りが記載されている物件には注意してください。次のような問題を抱えた物件である可能性が高いためです。

・借地権物件

・事故物件

・管理状態が悪い物件

・立地が悪い物件

なにが問題になるのか、投資にどう影響するのか、それぞれ解説します。

借地権物件

借りた土地にアパートやマンションを建設し、賃貸経営を行うのは可能です。この場合、月々のコストに借地代が加わるため、NOI利回りは下がります。また、担保価値の高い土地が借り物であるため、融資がおりにくいというデメリットがあります。

事故物件

買い手に避けられがちな理由があり、大幅に値下げをしている可能性があります。殺人事件や死亡事故が発生した事故物件も、そのひとつです。事故後初めての入居者に対しては、事故物件であることを告知しなくてはなりません。二人目以降は告知の義務はありませんが、近所の評判を耳にして早々に退去するケースも多く、賃貸経営を安定させるまでに時間がかかります。

管理状態が悪い物件

外観や共用部分などが手入れされていない物件は荒れたイメージがあり、入居者に避けられがちです。一棟アパートや戸建なら購入後に思うように手入れができますが、区分マンションではそうはいきません。管理費や修繕積立金の未払いが多く、管理が行き届いていないケースもあります。

立地が悪い物件

駅から離れた場所にある物件や、極端に日当たりの悪い物件なども、入居者募集に苦労しがちです。損切りのために売却されることが多く、安く購入できても売却時にまた苦労するかもしれません。

NOI利回りで投資先物件の実力を判断しよう

家賃収入から経費を差し引いて算出するNOI利回りでは、純粋な利益の割合が数値化されます。物件のリアルな収益性が判断できる、基本的かつ重要な利回りです。

単純に家賃収入と物件価格だけで割り出す表面利回りと違い、NOI利回りの計算には手間がかかります。購入前の検討材料としてNOI利回りを計算する場合は諸経費の見積もりが必要となるため、不動産投資会社に相談するとよいでしょう。その際も任せきりにするのではなく、自分なりに知識や情報を仕入れておくことが大切です。主体的に学び判断する姿勢が、不動産投資成功への第一歩です。

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