初めて不動産投資に挑戦する方は、わからないことが多くて不安を感じているのではないでしょうか。勉強しようと思っても、難しい用語が多数出てくることでなかなか知識を深められないかもしれません。

そのような方は、まず不動産投資とはなにか、おおまかな種類や仕組みから勉強してみてください。基礎となる知識がないと、不動産投資があなたに向いている投資方法なのかを判断することもできません。

今回は、不動産投資で知っておきたい基本的な知識や仕組みを解説していきます。

基本的な仕組みを理解して、不動産投資を始めてみましょう。

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【目次】

不動産投資とは?

不動産投資の始め方

不動産投資の運用目的

不動産投資の種類

不動産投資を成功させるための知識

不動産投資の失敗につながる行動パターン

不動産投資のリスク

不動産投資のリスクは購入前に対策しておこう

不動産投資を行う場合融資戦略は重要

まとめ 準備を行い不動産投資を始めよう

不動産投資とは?

不動産投資とは、家賃収入や売却益を得るために不動産に対して投資をすることです。

預貯金と比べると高いリターンが見込めます。

リターンそのものは投資信託や株式投資のほうが大きい傾向にありますが、リスクを自分自身で抑えられるところが特徴です。初心者の不動産投資は、高リターンを得るためというより、年金や保険代わりに向いているでしょう。

ちなみに、不動産投資の一種にリート(REIT)という選択肢もあります。

リートとは不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金で上述のような不動産運用を行い、利益を投資家に分配する仕組みです。

ここでは、リートではなく基本となる実物不動産投資について解説していきますが、REITに関しては下記記事にて詳しく解説していますので気になる方はご覧下さい。

参考>>不動産投資信託(REIT)とは?仕組みや利回りを解説

不動産投資の始め方

不動産投資を始めるには、物件を探し、購入するまでいくつかのステップを踏むことになります。基本的にはマイホーム購入の流れと同じですが、自分が住みたい家ではなく、賃貸の需要があるかどうかを第一に物件選びを行うことがポイントです。

不動産投資を始めるまでの流れはこちらです。

・エリアを選ぶ

・物件を選ぶ

・シミュレーションで収支を確認する

・不動産投資ローンの事前審査を受ける

・売主と交渉する

・契約

・決済・引き渡し・登記

下記記事にて具体的に解説していますので、気になる方はご覧下さい。

参考>>【初心者必見】不動産投資の始め方と注意点

不動産投資の運用目的

不動産投資の運用目的は、主に家賃収入や売却益を得ることです。長期間保有して家賃収入を得続けるのか、売却してすぐに売却益を得るのかの違いです。

または、家賃収入よりも節税や保険の目的で、不動産投資をする場合もあります。

最初に運用目的を決めることで、目的に適した物件を選ぶことが可能です。

家賃収入

不動産投資を始める目的として一般的なのが、家賃収入を得るためでしょう。入居者から入る家賃収入から、経費やローンの支払いを除いた分が利益になります。十分な利益を得るためには、空室を減らし家賃収入を満額にする対策が必要です。

また、修繕費計画を立てて、大きな出費を減らすことも重要でしょう。

不動産購入はローンが使えるため、融資によって自己資金以上の価値を持つ物件を購入することも可能です。このように少ない自己投資で大きな利益を得ることを、レバレッジ効果と呼びます。

購入価格が高いものの大きなリターンが見込める物件をローンで購入し、家賃収入を増やすというようにレバレッジ効果を利用してより大きな利益を得ることもできます。

さらに、ローン返済は入居者に払ってもらった家賃収入でまかないますので、入居者がいる間は安定した収益を見込むことができます。

 

家賃収入は副業に当たる?

会社によっては副業が禁止されており、家賃収入を得ることに抵抗がある方もいるかも知れません。家賃収入は副業に当たらないケースが多いでしょう。なぜなら、副業の懸念点は本業へ支障が出てしまうことですが、不動産投資であれば本業への支障が出にくいからです。

ただし、一定度の規模になってくると副業にみなされるケースもあります。昼飲てんにかんして気になる方は下記記事をご覧下さい。

参考>>家賃収入は副業に該当するの?気になる質問を初期費用や手順含めて解説!

 

売却益

購入した不動産を購入時の価格よりも高く売ることで、家賃収入よりも短期間で売却益を得る投資方法もあります。地価が上がっている物件を入手すれば、上がり切ったところで売却することで利益が得られる可能性があります。

または、相場よりも安く不動産を購入し、高く売るというのも一つの手です。

そのほか、資金や提案力次第では、リノベーションで価値を高めて利益を得る方法もあるでしょう。

ただし、不動産投資初心者が簡単に利用できる方法ではありませんので注意が必要です。

 

節税対策

不動産投資は相続税や所得税の軽減にも役立ちます。

例えば、1億円の現金を相続すれば、その分の相続税がかかります。これを生前に1億の物件に変えておけば、不動産の評価額に対する税金となるため節税効果が得られるでしょう。

また、収入が多く高額納税をしている人なら、不動産投資で所得税と住民税の節税効果が期待できる場合があります。

具体的には、キャッシュアウトせずに経費計上のできる不動産の減価償却費(経年により減少した分の価値)を計上することで不動産所得が赤字となり、全体の所得を減らすことで節税効果があります。

ただし、赤字ありきで不動産投資をすることは失敗に近づいてしまいますのでご注意ください。

 

生命保険代わり

不動産投資は、家族に遺す生命保険代わりとしても活用できます。

不動産投資で購入した物件の支払いは、ローンを利用するのが一般的です。ローンの契約には基本的に団体信用生命保険(団信)の加入が義務づけられています。団信に加入していると、ローンの契約者が万が一亡くなった場合、ローンの支払い義務がなくなります。

家族にはローンの支払いのない不動産が残り、これまでと同様に家賃収入が得られます。

または、相続した不動産を売却して現金を得ることも可能です。

 

不動産投資の種類

購入する不動産の種類として初心者が選択肢に入れやすいのは、区分マンション、アパート・マンション一棟ではないでしょうか。なぜなら、不動産投資ローンを活用して投資を行うことができるからです。ただし、一棟物件は2018年のスルガ問題以降、物件価格の10~20%と諸費用分の頭金が必要になってきているので一定程度自己資金は必要になります。

それぞれの不動産のメリット、デメリットを比較してみましょう。

区分マンション

区分マンション投資は、分譲マンションの1室のみを購入する方法です。

また1室のみということで、戸建て住宅やアパート・マンションと比べると不動産の購入価格が低く、自己資金が少ない人でも始めやすいのが特徴です。購入価格が低いということは、年収が低い人でもローンを借りることができる可能性があり、そういった点でも初心者向けと言えます。

ただし、1室のみの運用の場合は、入居者がいないときに無収入になってしまうリスクがあります。

また、他の不動産と比べて利回りの低い物件が多いのもデメリットでしょう。

 

アパート・マンション一棟

アパート・マンション一棟に対して投資をする場合は、集合住宅を一棟単位で購入する方法です。 

規模が小さくても2~4戸程度となるため、数百万円程度から購入可能なワンルームマンション投資と比べると、物件購入価格が高額です。

一棟物件の場合は少なくとも2,000万円前後からで、戸数が多くなれば億を超えることもあります。まとまった初期費用が必要なことから、年収や自己資金が少ない場合だとローンの借入れができないこともあります。

利回りはワンルームマンションよりも一棟アパートのほうが高めです。戸数も複数になるため空室リスク対策もしやすいと言えます。

もともと土地を持っている地主の方や、高収入の方が取り組みやすいでしょう。

  

不動産投資を成功させるための知識

これから不動産投資の勉強を始める方は、まず基本となる積算価格と利回りだけでも理解しておくようにしましょう。

積算価格を把握する

不動産投資には、積算評価・積算価格という言葉が登場します。

積算評価とは、不動産価値を評価する計算方法のひとつで、積算価格とは積算評価による具体的な価格のことです。

積算価格は、金融機関が土地・建物の価値を考慮して算出するため実態に近い不動産価格と言われており、物件の担保価値の目安となるため、ローンの借入限度額の目安にもなります。

不動産投資はローンを利用することでレバレッジ効果が得られると、すでに説明しました。融資が得られなければ、自己資金の割合が高くなってしまうでしょう。

できるだけ自己資金を抑えてレバレッジ効果の大きな投資ができるように、積算価格を把握することは重要だと言えます。

 

利回りを把握する

もうひとつ把握しておきたいのが、不動産投資の利回りについてです。

不動産投資で覚えておきたい利回りは、表面利回りと実質利回りがあり、それぞれの計算方法は以下のとおりです。

・ 表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100

・ 実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100

計算式からもわかるように、表面利回りには経費などの支出が反映されません。より実態に近い利回りを算出するには、実質利回りでの計算が必要です。

しかしながら、物件を購入する前に実質利回りを算出するのは難しいため、物件選びの際には表面利回りを参考にするとよいでしょう。表面利回りの相場は新築か中古か、さらに都市部か地方かで異なります。次の数値を参考にしてみてください。

・ 新築:都市部3~4%、地方6~7%

・ 中古:都市部7~8%、地方10%程度

マンション投資の利回り相場に関して解説した記事もありますので気になる方はご覧ください。

>>マンション投資の利回りの相場とは?気をつけたい高利回りの落とし穴 

また、サブリースでは管理会社に支払う手数料がプラスされるため、実質利回りはさらに低くなるでしょう。サブリースでも相場より家賃を高めに設定すると利回りが高くなりますが、家賃が高いと空室リスクも高くなります。

家賃を下げなければならない状況になると、実質利回りが低くなる恐れがあるでしょう。

実質利回りが算出できたら、不動産購入時の借入金利と比較することで実際に手元に残る利益が計算できます。

 

不動産投資の失敗につながる行動パターン

不動産投資は、長期的な視点でコツコツと地道に取り組めば利益を出せる資産運用方法で、失敗率もそれほど高くはありません。しかしながら、これは失敗するだろうと思われる行動パターンもあり、取り組む際にはあらかじめ注意する必要があります。

特に注意したいのは、次の3点です。

・ 営業マン任せ

・ 無計画

・ 危機感不足

それぞれ解説します。

営業マン任せ

不動産取引には不動産そのものの知識に加え、金融やマーケティングなど幅広い知識が必要とされます。専門用語も多く、営業トークを聞いているうちに面倒くさくなることもしばしばです。また、熱心に勧められて根負けする人も少なくありません。

なかには詐欺まがいのやり方で、利益が出ない物件をむりやり購入させようとする悪徳業者もいます。営業マンに任せきりで、自ら調べたり確認したりすることを怠ったために失敗したケースは多々みられます。

無計画

多分なんとかなるだろうと安易に考えるのは失敗のもとです。繰り返しになりますが不動産投資は長期計画で行う資産運用です。長い運用期間中には予期せぬ出来事も沢山あります。自身のライフスタイルにもおそらく変化があるでしょう。

例えば、入居者がつかず家賃が得られなかったときに、無理なくローンを返済できるでしょうか。無計画に不動産投資を始めると不測の事態に対応できず、失敗につながります。

危機感不足

空室、家賃滞納、火災や自然災害など、賃貸経営にはさまざまなリスクが伴います。リスク対策を怠ったために大損をしてしまったという事例も珍しくはありません。危機感不足は不動産投資の失敗の大きな要因のひとつといえます。

ここからは物件の条件別で購入前にリスク対策の事例を紹介します。

低利回りの物件

不動産投資を成功させるために家賃収入(インカムゲイン)をしっかり得られるかどうかは極めて重要です。

購入物件を、資産性重視で好立地・ブランドマンションといった新築物件で節税目的で購入してしまうと、月々の収支は赤字となり今後不動産投資の規模拡大の足かせになってしまうことがあります。

不動産投資の失敗を避けるためには、低利回りでマイナスキャッシュフローになるような物件は避けるようにしましょう。

高利回りの物件

一方で高利回りの物件はどうかと言うと、利回りが高い物件を探すことは大切であるものの高ければどの物件でも良いわけではありません。

例えば、表面利回り15%の物件だとしても入居付けが難しい場合は実際の利回りはもっと少ないということになります。

空室期間が3ヶ月続き、入居付けのためにフリーレント3ヶ月をつけるとなると、実質半年間空室になっていることと代わりありません。そうなると表面利回り15%だったものが、入居付けできたタイミングでは表面利回り7.5%になります。

利回りは重要ですが、その後の入居付けがしやすいかどうかに関してもしっかり吟味するようにしましょう。

サブリース付きの物件

利回りはほどほどにあり、なおかつ毎月家賃保証のついている物件はどうでしょうか。サブリース付き物件は一見すると、利回りの面でも空室リスクの解消の面でも有効に見えます。

ただし、サブリースの保証期間は一生続くわけではありません。35年間家賃保証を謳いつつも、業者からいつでも解約できる仕組みでありながら、オーナーから解約を申し出ると高額な解約手数料を請求されることやそもそも解約できないこともあります。

サブリース付きは一見すると安心できるように思いますが、購入後のトラブルも起こりえます。また、毎月の手数料もかかることからあえてサブリース付き物件を選ぶ必要は無いでしょう。

参考>>サブリース契約とは?メリットや問題点について解説

 

不動産投資のリスク

不動産投資にはリスクがあります。

具体的にはこちらが代表的な不動産投資のリスクになります。

  • 不動産価格下落リスク
  • 家賃下落リスク
  • 空室リスク
  • 修繕リスク
  • 金利上昇リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 自然災害リスク

株を買って株価が変動しないと思って買う人はいないことでしょう。買った後に、価格がどう変動するか多少なりともシミュレーションを行い対策をするはずです。不動産投資も始める前に想定できるリスクを知っておき、対策をしておきたいものです。

不動産価格下落リスク

経年劣化によって、不動産の物件価値が下がることにより不動産価格の下落が起こりえます。また、土地価格に関しても人口流出が多いエリアや災害の起こったエリアは不動産価格が下がる傾向にあります。

家賃下落リスク

不動産の建物はマンション、戸建てに関わらず毎年経年劣化をします。新築物件と中古物件であればどちらが住みたいかと聞かれると多くの方は新築物件に住みたいと答えるはずです。経年劣化が進むにつれて需要が減少するので、新築時に設定した家賃は経年とともに下がってしまうことが一般的です。

空室リスク

購入した物件に対して、入居者がいることで毎月家賃収入を得ることができますが、もし空室になった場合には家賃収入がなくなることになります。退去後、速やかに入居付けができれば良いですが、物件やエリアによっては空室期間が長くなる可能性もあります。

修繕リスク

退去に伴って内装工事が必要になることや突発的な設備の故障に伴う修繕費がかかることがあります。この場合、基本的にはオーナーが自己資金を使って修繕をする必要があります。

金利上昇リスク

不動産投資の魅力の一つは借り入れを行い不動産投資を始められる点にあります。多くの不動産投資ローンの金利は変動金利です。変動金利で借り入れした場合には、将来金利が上昇する可能性があります。

家賃滞納リスク

入居者が入っていても、家賃を延滞する可能性があります。

自然災害リスク

日本は災害の多い国ですが、災害には地震だけでなく台風による床上浸水なども起こりえます。火災保険や地震保険に入っている方が大半ですが、保険金で賄えない部分については自己負担で補う必要があります。

不動産投資のリスクは購入前に対策しておこう

不動産投資には上記のリスクがあります。

不動産投資を始めた後にリスクを知るのではなく、リスクを認識した上でリスクを避けられるような物件、立地、管理会社、火災保険等を選択して対策する必要があります。

特に不動産価格下落リスク、家賃下落リスク、空室リスクに関して、今後人口が減っていく中、心配される方も多いと思います。

総務省統計局が実施している住宅・土地統計調査によると、2018年時点でも日本の空き家は846万戸と言われ、空き家は年々増加しています。しかし、買った後もご自身で手をかけてリノベーションをするなど、一事業として運営していくことで不動産価格下落リスク、家賃下落リスク、空室リスクを回避できるよう対策することは十分に可能です。

修繕リスクに関しても、毎月の賃料の一定額は手を付けずに貯めておくことで突発的な支出に耐えられるようになります。

金利上昇リスクに関しては、予め金利が上昇した際のシミュレーションを立てておくことや、物件価格の10〜20%程度の頭金を入れることで借り入れ金額を減らし、毎月返済額が上昇するリスクを下げることができるでしょう。

家賃滞納リスクについては、家賃保証会社を付けることで万が一の滞納リスクを回避することが可能です。また、日頃から入居者の方とコミュニケーションをとっておくことも解決策の一つになります。

最後に、自然災害リスクですが、火災保険のみならず地震保険などの特約をつけることで保障の範囲を広げておくことで対応ができます。また、ハザードマップの危険エリアに該当しない物件を購入することによってもリスクを避けることができるでしょう。

不動産投資の融資戦略は重要

不動産投資を行う場合に、多くの方は現金で購入するのではなく不動産投資ローンを活用していきます。そのため、不動産投資ローンの借入れ条件によって投資効果が大きく異なることもあります。

不動産投資ローンの審査は主に年収や勤務先、既存の借入れ状況などの属性で判断されます。特に年収は最も重要な審査基準になります。つまり、年収が高ければ高いほど借り入れできる上限額は上がっていきます。

理由は明確で、サラリーマン投資家の場合、不動産投資をした物件で万が一空室がでたとしても、給与収入から返済をしていくことができると金融機関は判断するため借り入れ上限額が高くなるということです。

現実的にサラリーマンで不動産投資をする場合には、一般的に必要な年収帯は500万円以上で、上場企業またはそれに準ずる企業(資本金1億円以上)といった企業規模まで見られることになります。

参考>>【年収別】不動産投資ローンの借り入れ可能額

まとめ 準備を行い不動産投資を始めよう

今回は、不動産投資で知っておきたい基本的な知識や仕組みを解説しました。

これから不動産投資を始めるのであれば、何の目的で投資をするのかを明らかにし、どのエリアのどういった物件を購入していくのか検討していきましょう。中でも、不動産投資を行う上で不動産投資ローンをいかにうまく活用できるかは重要です。

最後に、インベースでは、ご自身がいくらまで借り入れできるかを判定するバウチャーサービスを提供しています。

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