不動産投資詐欺について

不動産投資に限らず、詐欺の手口は年々悪質かつ巧妙になっています。自分は決して騙されないと思っていても、気づいたら被害者になっていたということは十分にあり得ます。不動産業者の言動に少しでも違和感を感じたときには、毅然とした態度で断るようにしてください。詐欺から自分を守ってくれるのは自分しかいません。正しい知識があればほとんどの詐欺被害は未然に防げます。

大金が動く不動産投資は、しばしば詐欺のターゲットにされることがあります。そこで今回は不動産投資にありがちな詐欺の手口について解説するとともに、詐欺被害を防ぐために覚えておきたいポイントを紹介します。

正しい知識があれば詐欺は未然に防げます。詐欺かも知れないと思ったときの相談先も紹介しますので、ぜひ役立ててください。

【目次】

1.実際にあった不動産投資詐欺事件

(1)海外不動産投資詐欺

(2)地面師

(3)サブリース詐欺

(4)なんちゃって不動産投資

2.その他の詐欺手口

3.不動産投資の初心者が注意すべき営業トーク

(1)1万円から投資できます|ソーシャルレンディング詐欺

(2)早い者勝ちです|手付金詐欺

(3)絶対に儲かります|宅建業法違反

(4)家賃保証があって安心です

(5)生命保険代わりになります

(6)利回りが高く儲かります

4.不動産投資の詐欺に引っかからないための方法

(1)不動産投資に関する知識をつける

(2)わからないときには相談する

(3)信頼できる不動産会社や営業担当と取引をする

5.もしかして詐欺?そんなときの相談先

(1)消費者庁

(2)免許行政庁

(3)宅地建物取引業保証協会

(4)法テラス

6.まとめ 詐欺から自分を守るのは自分自身

 

1.実際にあった不動産投資詐欺事件

詐欺の手口はじつに巧妙です。大手企業でさえも騙されることがあります。自分は騙されないといった考えは捨てたほうがよいでしょう。実際に、近年だけでも次のような大きな詐欺事件が報道されています。

・2015年:海外不動産投資詐欺

・2017年:地面師

・2018年:サブリース詐欺

・2019年:なんちゃって不動産投資

それぞれどのような事件だったのかを振り返ってみましょう。

 

(1)海外不動産投資詐欺

カンボジアの農地やアパートへの投資名目で全国の高齢者らから現金を騙し取った不動産会社の社長ら13名が、2015年1月、神奈川県警を中心とする合同捜査本部によって逮捕されました。この事件の被害者は200名以上、被害総額は20億円以上といわれています。

(2)地面師

地面師とは、所有者に成りすまして他人の土地を売却し、その代金を騙し取る詐欺師のことです。2017年8月、大手住宅メーカーが地面師被害に遭い、63億円もの大金を騙し取られたという事件が発生しました。不動産のプロでさえも騙された巧妙な詐欺手口が話題になった事件です。

 

(3)サブリース詐欺

サブリースとは、不動産管理会社がオーナーから物件を一括で借り上げて転貸するシステムです。空室があっても一定の家賃が保証されるという点では魅力的なシステムですが、さまざまなリスクがあることにも注意しなくてはなりません。もっともわかりやすいのが、2018年に発覚したかぼちゃの馬車事件です。

かぼちゃの馬車は、サブリース契約による35年の家賃保証が売りの女性向けシェアハウスでした。しかし、運営会社の経営破綻・家賃未払いにより700名以上のオーナーが総額1,000億円もの被害を受けたのです。なかには自己破産に追い込まれた人もいます。この事件では、詐欺まがいのビジネスモデルや銀行の不正融資が明らかになり、社会問題にもなりました。

(4)なんちゃって不動産投資

不動産投資ローンは金利が高いから、みんな当たり前にやっていることだからなどと言って、投資用物件の購入に一般の住宅ローンの利用を勧めてくる業者には注意してください。投資用物件の購入に一般の住宅ローンを利用することはできません。居住用と偽って投資用物件を購入するのは、なんちゃって不動産投資と呼ばれる違法行為です。

2019年、住宅金融支援機構の調査により、特定の住宅売主及び不動産仲介事業者が関与した105件のフラット35不適正利用が見つかりました。同時に源泉徴収票などの審査資料の改ざんや、住宅購入価格の水増しといった不正行為も発覚し、オーナーには残債の一括返済が求められています。オーナーのほとんどは、貯蓄も収入もまだそれほど多くない20代から30代前半の若者でした。なんとなく違和感を感じつつも、業者の巧みな話術にのせられてしまったといいます。

参考:フラット35の不適正利用懸念事案に係る調査結果の公表|住宅金融支援機構

住宅ローン、特にフラット35での不動産投資である可能性が高いため、注意しましょう。

>>住宅ローン(特にフラット35)で不動産投資をしてはいけない3つの理由

2.その他の詐欺手口

詐欺の手口はまだまだあります。

・満室偽装

一棟アパートやマンションで使われる手口です。空室に一時的に詐欺グループのメンバーが入居して満室稼働を偽装します。満室稼働を理由に相場よりも高額な物件価格が設定されているのが特徴で、代金を支払ったあとには元の空室に戻るため家賃収入が得られません。

・二重譲渡

同一物件を複数人に売却し、代金を騙し取る手口です。所有権を主張できるのは最初に登記を済ませた人だけなので、そのほかの人は代金を支払っても物件を手に入れることができません。

・ 原野商法

ほとんど価値のない原野を、開発予定があるなどと騙して売りつける悪徳商法の一種です。

・ デート商法

好意があると錯覚させて高額な商品を購入させる、昔からある悪徳商法です。近年では、婚活サイトやマッチングアプリなどを通じての詐欺被害も報告されています。

 

3.不動産投資の初心者が注意すべき営業トーク

不動産投資の初心者は、次のような営業トークにも注意してください。

・1万円から投資できます

・早い者勝ちです

・絶対に儲かります

・家賃保証があるので安心

・生命保険代わりになる

・利回りが高く儲かる

これらのフレーズにはどのような危険が隠されているか、それぞれ解説していきます。

 

(1)1万円から投資できます|ソーシャルレンディング詐欺

ソーシャルレンディング不動産投資とは、不特定多数から調達した資金で物件を購入し、利益を分配するスタイルの投資法です。1万円ほどの少額から始められる手軽な不動産投資として注目されています。ソーシャルレンディング自体は悪いことではありません。ただし、お金を騙し取る悪徳業者がいることには注意してください。

10%前後の高利回りを謳い文句に50億円近いお金を集め、そのほとんどを経営状態が悪化した身内の不動産会社に横流しをしていた会社がありました。この会社は2018~2019年に金融庁から2度の行政処分を受けています。結局、投資したお金は返済されず、30億円を超える大金がうやむやになったままです。

 

(2)早い者勝ちです|手付金詐欺

物件をキープするためにという名目で、手付金を支払わせようとする業者にも注意してください。同じ物件を複数に紹介し、手付金を支払わせて持ち逃げするという詐欺事件が多数報告されています。また、手付金は契約締結の意思を示すもので、購入しないからといって戻ることはありません。早い者勝ちだからなどと購入を急かすような業者は信用しないようにしてください。

 

(3)絶対に儲かります|宅建業法違反

絶対に儲かる、必ず値上がりするなどといって契約を迫る業者にも要注意です。絶対・必ず・確実などの断定的な表現は宅地建物取引業法で禁止されています。そもそも投資に絶対はありません。あまり収益性のない物件であることを知りながら、仲介手数料を得るためになんとかして購入させようとしている可能性もあります。

(4)家賃保証があるので安心です

不動産投資にはサブリースという方法で家賃を一定期間保証する方法があります。

ただし、一定期間の賃貸契約を保証しているだけであり、契約当初と同じ家賃の支払いを受けられることが約束されているわけではありません。サブリース契約には「一定期間経過後、サブリース会社が賃料の引き下げをすることができる」という文言が含まれているケースが多いです。

「2年毎の見直しになっており、2年後には賃料の引き下げ交渉をされた」といった事例もあるので注意が必要です。

サブリースは空室リスクの軽減や管理の手間を省くことができる一方で、このようなデメリットも存在します。サブリースを検討する際には、メリットとデメリットを把握し、仕組みをよく理解した上で利用する必要があるでしょう。

(5)生命保険代わりになります

ローンを組む際に、団体信用生命保険(団信)への加入を条件としている金融機関が多いです。

団信とは、契約者が死亡・高度障害状態になった場合、ローンの残債を保険会社が代わりに支払ってくれる仕組みのことです。つまり契約者が亡くなっても、その家族の元には、ローンが完済した不動産が資産として残ることになります。

これを利用して月々のキャッシュフローが赤字なのを誤魔化すために、生命保険の代わりだという業者もいるので注意が必要です。

不動産は売却に時間がかかるケースや、希望の売却額で売却できない場合もあります。また、賃貸する場合も、管理に手間がかかる他常に満室を維持できるか、将来も家賃水準を維持できるかは分かりません。

生命保険の代わりだという考えでキャッシュフローが赤字の物件に手を出すのは危険ですので十分注意しましょう。

(6)利回りが高く儲かります

高利回りの方が儲かるのは確かです。ただし、投資物件のポータルサイトや不動産会社が表示する利回りは「表面利回り」であることが多く、場合によっては満室想定利回りを表示している場合もあります。

ローンの返済金額や税金、管理コストなど、諸々の費を差し引いた「実質利回り」を計算すると、実際それほど利回りが高くならないケースも多いです。

また、築古の物件や空室率が高い物件などは、販売価格を下げないと買い手が見つからないため、相場より売買価格が低いことで表面利回りが高くなっている場合があります。実際には、修繕費やリフォーム費、広告費用が多額に発生するなど、出費が多くなる可能性が高く、実質利回りはもっと下がるでしょう。

このようなマイナス要素も加味してシミュレーションをし、より現実的な利回りを算出するようにしましょう。

「利回りが高い物件=儲かる物件」とは限りません。利回りが高い物件には理由があることも押さえておきましょう。

 

4.不動産投資の詐欺に引っかからないための方法

不動産投資に引っかからないための方法としてはそもそもうまい話には疑問を持ち立ち止まることが重要です。

その上で、詐欺に引っかからないための方法はこちらです。

・不動産投資に関する知識をつける

・わからないときには相談する

・信頼できる不動産会社や営業担当と取引をする

どれか一つだけおこなうというよりも、全て意識して行動したいものです。

具体的に見ていきます。

(1)不動産投資に関する知識をつける

不動産投資詐欺を回避するためにはまず正しい知識を身につけることが重要です。

不動産投資について正しい知識を持っていれば、業者に詐欺まがいなことを言われたとしてもそれを鵜呑みにせず、矛盾点やおかしいポイントに気づくことができるでしょう。

物件選びに関する知識はもちろん、ローンや税金等様々な知識を身につけることでより良い不動産投資を行う事ができます。

勉強方法については本やWebサイト、セミナーなどがあげられます。

ただし、セミナーへの参加については、必ず主催者の情報を確認しましょう。

中にはセミナーで参加者に対して詐欺行為を行おうとする悪質なケースもありますので注意が必要です。

(2)わからないときには相談する

不動産投資を進める中で少しでも違和感や不安を感じることがあれば、判断を自分だけで判断せずに事情のわかる人に相談しましょう。

投資家の友人をすぐに作るのは難しいと感じる方もいるかもしれませんが、不動産投資のセミナーに参加したり、ネット上で大家のコミュニティに参加してみることでネットワークが広がり、有益な情報を得られるようになるでしょう。

(3)信頼できる不動産会社や営業担当と取引をする

信頼できる不動産会社を見極めるために、その会社の実績や口コミを確認を確認するようにしましょう。

また、信頼できる会社や担当者には、次のような特徴があります。

・メリットだけでなく、リスクやデメリットも伝えてくれる

・長期的な資金シミュレーションを作成してくれる

・顧客の状況や投資スタンスを踏まえて物件を勧めてくれる

・無理な借入を勧めてこない

デメリットを隠す、目先の利益しか説明されないなど一方的に物件をすすめられる場合には、不動産会社やその担当者にとって都合のいい物件を紹介されている可能性があるので注意が必要です。

業界団体に加盟しているか、過去に行政処分を受けていないか、不動産会社の評判やネットでの口コミはどうかなど、さまざまな観点から確認してみることをお勧めします。

5.もしかして詐欺?そんなときの相談先

詐欺の被害者にならないためには、不動産投資の知識をつけることと即答を避けることが大切です。違和感を感じたときは、インターネットの口コミなどを検索して信用できる業者かどうかを調べるようにしてください。ここでは詐欺が疑われるときに相談できる公的機関を紹介します。

 

(1)消費者庁

消費者庁では消費生活におけるさまざまなトラブルについての情報提供や無料相談を行っています。不動産投資詐欺や悪徳商法なども相談にのってくれるので、ぜひ活用してください。消費者ホットライン(118番)に電話すれば、最寄りの消費生活相談窓口を紹介してくれます。

参考:消費者庁Webサイト

 

(2)免許行政庁

しつこい営業や脅迫じみた勧誘を受けたときは、免許行政庁へ連絡してください。不動産会社の名称、担当者の氏名、いつどのようなやりとりがあったのかなどメモしておくと話がスムーズです。悪質と見なされた場合、営業停止や免許取り消しなどの行政処分が下されます。

参考:国土交通省から消費者の皆さんへのお知らせ・注意喚起

 

(3)宅地建物取引業保証協会

ほとんどの不動産会社は、不動産保証協会または全国宅地建物取引業保証協会に所属しています。不動産会社の言動に疑わしい点があった際は、いずれかに相談してみてください。詐欺被害だった場合は1案件1,000万円までの弁済金が支払われます。行政機関ではないため法的措置をとることはできませんが、国土交通省などへの告発が期待できるため、詐欺被害の拡大を防ぐ意味でも連絡してください。

参考:公益社団法人 不動産保証協会

参考:公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会

 

(4)法テラス

不動産投資詐欺は弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士の知り合いがいない、費用が気になるといった場合は法テラスを利用してみてください。法テラスは国が設立した法律支援法人です。無料の法律相談や法的トラブルについての情報提供などが受けられます。

参考:法テラス

 

6.まとめ 詐欺から自分を守るのは自分自身

不動産投資に限らず、詐欺の手口は年々悪質かつ巧妙になっています。自分はけして騙されないと思っていても、気づいたら被害者になっていたということは十分にあり得ます。不動産業者の言動に少しでも違和感を感じたときには、毅然とした態度で断るようにしてください。詐欺から自分を守ってくれるのは自分しかいません。正しい知識があればほとんどの詐欺被害は未然に防げます。甘い言葉や美味しい話に騙されないよう、不動産投資についてしっかり学ぶようにしましょう。

詐欺の一例にも上げましたが、サブリース詐欺は投資家の投資額が自身がおえるリスク以上であったことも要因の一つになりますが、不動産投資を行う前に借入可能額を把握しておくことで堅実に投資できる金額がわかります。

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